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事前確定届出給与の「定期同額給与としない理由」の書き方 — 届出書⑤欄の文例4つと、会社の実情に合わせて書く考え方

事前確定届出給与の届出書で、いちばん手が止まるのが⑤欄の「定期同額給与による支給としない理由」ではないでしょうか。何を聞かれている欄なのか、どう書けば実情に合うのか、書かないほうがよい表現は何かを、国税庁の記載要領に沿って整理しました。

この記事の要点

  • ⑤欄が聞いているのは2つ。「なぜ毎月同額でなく、決まった時期にまとめて払うのか」と「なぜ付表1に書いた支給時期にしたのか」
  • 文例は「売上の入金が集中する12月に支給する」「資金繰りを考慮してあらかじめ定めた時期にまとめて支給する」など。例文を写さず、自社の事情で具体的に書く
  • 「業績に応じて額を変える」「〇〇万円の範囲で」のような、額が変わる書き方はしない(条件を満たせば全額・満たさなければ支給なし、と定める形だけは別)

⑤欄が聞いている2つのこと — 「なぜまとめて」と「なぜその時期」

届出書に書く事項は法人税法施行規則で決まっていて、その1つが「定期同額給与による支給としない理由」と「支給時期を付表の支給時期とした理由」です(法人税法施行規則22条の3第2項)。国税庁の記載要領も、⑤欄にはこれらの理由を具体的に記載するよう案内しています。

定期同額給与とは、支給時期が1か月以下の一定の期間ごとで、事業年度の各支給時期の支給額が同額の給与などです(法人税法34条1項1号)。つまり⑤欄は、「毎月同額の払い方をなぜ選ばなかったのか」と、「その支給日をなぜ選んだのか」を、それぞれ一言で説明する欄です。

⑤欄に書く2つの理由と、書き方の向き
問い書くこと書き方の向き
定期同額給与による支給としない理由毎月の給与とは別に、決まった時期にまとめて支給する事情入金の時期・資金繰り・従業員の賞与との関係・役員の勤務の形
支給時期を付表の支給時期とした理由付表1に書いた支給日を、その日にした事情売上の入金が集中する月・決算の見通しが立つ月・従業員の賞与月

2つの理由を1つの文にまとめて書くことをお勧めしています。「売上の入金が集中する12月に、あらかじめ定めた額をまとめて支給するため」のように、時期の事情を入れると2つの問いに一度に答えられます。

文例4つ — 会社の実情別

理由は会社ごとに違いますが、小さな会社でよくある事情は4つに集まります。文例をそのまま写すのではなく、自社に当てはまるものを選び、月や回数を実際の数字に直して使ってください。

⑤欄の文例(会社の実情別)
会社の実情文例
売上の入金が特定の月に集中する売上の入金が集中する12月に支給することとしたため
毎月の資金繰りに余裕を持たせたい資金繰りを考慮し、あらかじめ定めた時期にまとめて支給するため
従業員の賞与と同じ時期にそろえたい使用人に対する賞与の支給時期(7月・12月)に合わせて支給することとしたため
非常勤役員に年1回まとめて払う非常勤役員の報酬を、職務執行期間の中間である12月に年1回まとめて支給するため

どの文例も、「いつ」「なぜその時期か」が読めば分かる形になっています。ご自身の会社の支給日を思い浮かべて、その日を選んだ事情を一言にしてみましょう。

なお、同族会社に当たらない会社が、定期給与を支給しない役員に金銭で支給する給与は、届出そのものが要りません(法人税法34条1項2号)。ご自身の会社が同族会社に当たるかどうかは、株主の構成で決まります。

理由欄の文で損金が決まるわけではない — 決め手は届出と、定めどおりの支給

法律が損金の条件として定めているのは、確定した額を所定の時期に支給する定めを期限までに届け出ることと、その定めに基づいて支給することです(法人税法34条1項2号)。届け出た支給額と実際の支給額が違えば、原則としてその支給額の全額が損金になりません(法人税基本通達9-2-14)。

⑤欄は、その届出に書く事項の1つです(法人税法施行規則22条の3第2項)。理由の文の長さより、書いた支給日と金額のとおりに払うことに注意を向けるようお勧めしています。

Q. ⑤欄は空欄でもよいですか

理由は届出書の記載事項として施行規則に定められているので(法人税法施行規則22条の3第2項)、空欄にせず、自社の事情を一言で書くことをお勧めします。文例の表から近いものを選び、月や回数を実際の数字に直せば足ります。

Q. 去年と同じ文を使い回してよいですか

支給時期と事情が変わっていなければ、同じ文で構わないと考えています。支給日を変えた年や、従業員の賞与月が変わった年は、その事情に合わせて書き直すことをお勧めします。

まとめ — 「いつ・なぜその時期か」を一言で

⑤欄は、毎月同額の払い方を選ばなかった事情と、支給日を選んだ事情を一言で書く欄です。入金の時期・資金繰り・従業員の賞与・役員の勤務の形のどれかに当てはめて、実際の月と回数で書けば十分です。届出書の他の欄の書き方と提出期限は、別の記事にまとめています。書き方に迷う点があれば、届出の前にお気軽にご相談ください。

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※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する税務上の助言ではありません。内容は執筆時点の法令等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。

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