個人事業主の負担は、所得税だけでなく住民税・国民健康保険料・国民年金・個人事業税を足した合計で見るのが実感に近い数字です。このページでは、利益 (売上から経費を引いた額) 別に5つの負担を1行ずつ並べ、手元に残る額と負担率までを、税理士・公認会計士が令和8年分の税制と令和8年度の料率で計算しました。
利益300万円なら5つの合計は年約73.1万円 (利益の約24%)、利益500万円なら年約134.8万円 (約27%)、利益1,000万円なら年約341.0万円 (負担率34.1%)、利益2,000万円なら年約785.2万円 (約39%) です。所得税は利益が増えるほど率が上がる一方、国民健康保険料は上限で頭打ちになるため、負担率の伸びは1,000万円を超えると緩やかになります。
前提は、青色申告特別控除65万円・基礎控除のみ (配偶者控除や扶養控除なし)・40〜64歳・東京都江東区の国民健康保険・個人事業税5%の業種です。消費税はこの表に含めていません (別の早見表にまとめています)。ご自身の数字は、無料の法人化シミュレーションで個人のまま続けた場合として試算できます。
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利益は売上から経費を引いた額で、青色申告特別控除を引く前の金額です。合計は所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金・個人事業税の5つを足した年額、負担率は合計を利益で割った割合です。
| 利益売上-経費 | 所得税 | 住民税 | 国保+国民年金 | 個人事業税 | 合計 | 負担率 | 手元に残る額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約3.9万円 | 約13.9万円 | 約54.9万円 | 約0.5万円 | 約73.1万円 | 24.4% | 約226.9万円 |
| 400万円 | 約8.1万円 | 約22.2万円 | 約67.3万円 | 約5.2万円 | 約102.8万円 | 25.7% | 約297.2万円 |
| 500万円 | 約14.7万円 | 約30.5万円 | 約79.7万円 | 約10.0万円 | 約134.8万円 | 27.0% | 約365.2万円 |
| 600万円 | 約30.1万円 | 約38.8万円 | 約92.1万円 | 約14.8万円 | 約175.7万円 | 29.3% | 約424.3万円 |
| 800万円 | 約65.2万円 | 約55.4万円 | 約115.9万円 | 約24.3万円 | 約260.7万円 | 32.6% | 約539.3万円 |
| 1,000万円 | 約100.7万円 | 約72.7万円 | 約133.8万円 | 約33.8万円 | 約341.0万円 | 34.1% | 約659.0万円 |
| 1,500万円 | 約241.0万円 | 約120.2万円 | 約134.5万円 | 約57.6万円 | 約553.4万円 | 36.9% | 約946.6万円 |
| 2,000万円 | 約401.5万円 | 約167.8万円 | 約134.5万円 | 約81.4万円 | 約785.2万円 | 39.3% | 約1,214.8万円 |
前提: 青色申告特別控除65万円・基礎控除のみ・国民健康保険は本人1人・個人事業税は事業主控除290万円を引いた残りの5% (対象業種)・住民税は均等割と森林環境税を含む。消費税は含みません。
売上から経費を引いた利益がそのまま使えるわけではなく、表の合計を納めた残りが手元に残る額です。利益が2倍になっても手元に残る額は2倍にはならず、所得税の率が上がる分だけ伸びが鈍ります。
40歳未満の方は、国民健康保険料に介護分 (所得割2.43%・均等割17,800円・上限17万円) がかからないため、合計が下の表のとおり少なくなります。40歳になった年度から上の表の額に近づきます。
| 利益売上-経費 | 所得税 | 住民税 | 国保+国民年金 | 個人事業税 | 合計 | 負担率 | 手元に残る額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約4.2万円 | 約14.6万円 | 約48.5万円 | 約0.5万円 | 約67.7万円 | 22.6% | 約232.3万円 |
| 400万円 | 約8.5万円 | 約23.1万円 | 約58.6万円 | 約5.2万円 | 約95.4万円 | 23.8% | 約304.6万円 |
| 500万円 | 約15.8万円 | 約31.6万円 | 約68.6万円 | 約10.0万円 | 約126.0万円 | 25.2% | 約374.0万円 |
| 600万円 | 約32.8万円 | 約40.1万円 | 約78.7万円 | 約14.8万円 | 約166.4万円 | 27.7% | 約433.6万円 |
| 800万円 | 約68.6万円 | 約57.1万円 | 約98.9万円 | 約24.3万円 | 約248.9万円 | 31.1% | 約551.1万円 |
| 1,000万円 | 約104.7万円 | 約74.4万円 | 約116.8万円 | 約33.8万円 | 約329.7万円 | 33.0% | 約670.3万円 |
| 1,500万円 | 約246.7万円 | 約121.9万円 | 約117.5万円 | 約57.6万円 | 約543.8万円 | 36.3% | 約956.2万円 |
| 2,000万円 | 約407.2万円 | 約169.6万円 | 約117.5万円 | 約81.4万円 | 約775.7万円 | 38.8% | 約1,224.3万円 |
前提: 青色申告特別控除65万円・基礎控除のみ・国民健康保険は本人1人・個人事業税は事業主控除290万円を引いた残りの5% (対象業種)・住民税は均等割と森林環境税を含む。消費税は含みません。
5つの負担は、それぞれ違う土台に違う率で掛かります。どれが重いかは利益の水準で入れ替わります。
青色申告特別控除・社会保険料控除 (国民健康保険料と国民年金の全額)・基礎控除を引いた残りが課税所得です。率は課税所得の段ごとに上がるため、利益500万円では年約15万円ですが、利益1,000万円では年約101万円と、利益の2倍以上に増えます。
住民税は所得割がほぼ一律10%で、これに均等割 (特別区民税3,000円+都民税1,000円) と森林環境税 (年1,000円) の合わせて年5,000円が加わります。所得税と違って率が一定なので、利益が増えても負担率は変わりません。この表は均等割・森林環境税・調整控除まで織り込んだ額です。
国民健康保険料は前年の所得から43万円を引いた額に料率を掛け、均等割を足した額で、40〜64歳は年113万円 (40歳未満は96万円) が上限です。国民年金は所得に関係なく月17,920円 (年約21.5万円) の定額です。利益1,500万円と2,000万円で国保・年金の欄がほぼ同じなのは、上限に達しているためです。詳しくは「国民健康保険料の計算方法と早見表」へ。
個人事業税は都道府県の税金で、利益から290万円の事業主控除を引いた残りに、業種ごとの率 (多くの業種は5%) が掛かります。利益290万円以下ならかかりません。文筆業や一部の業種は対象外で、その場合は表の事業税の欄が0になります。納めた事業税は翌年の経費になるため、この表はその分も織り込んだ定常状態の額です。
出典: 国税庁タックスアンサー No.2260 所得税の税率 / 国税庁タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除 / 東京都主税局 個人住民税 / 東京都主税局 個人事業税 / 日本年金機構 国民年金の保険料
表は次の前提で計算しています。前提が違う方は、その分だけ数字が動きます。
配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除・小規模企業共済の掛金 (小規模企業共済等掛金控除) などがある方は、所得税と住民税がこの表より少なくなります。白色申告や青色申告特別控除10万円の方は、逆に多くなります。
配偶者やお子さんが同じ国民健康保険に加入している場合は、人数分の均等割が加わります。会社の健康保険のような扶養の仕組みが無いためです。
課税事業者の方は、この表の合計とは別に消費税の納税があります。売上別の納税額は「消費税の納税額早見表」にまとめています。
所得税・住民税は令和8年分の控除額 (基礎控除の引き上げ後) で、国民健康保険料は東京都江東区の令和8年度の料率です。23区のうち20区は江東区と同じ料率ですが、それ以外の市区町村は料率が違うため、国保の欄が変わります。
利益が増えるほど所得税の率が上がるため、個人のままの負担率は利益300万円の約24%から、2,000万円の約39%まで上がります。法人化すると、税金の一部が法人税等 (率がほぼ一定) に置き換わり、社会保険は役員報酬の月額で決まる形に変わります。
下の法人化シミュレーションに売上・経費・役員報酬の月額を入れると、個人のまま続けた場合の5つの合計と、法人化した場合の合計が並んで出ます。分岐点の手前なら「まだ早い」という答えも、数字で確かめられます。
入っていません。所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金・個人事業税の5つの合計です。課税事業者の方はこれとは別に消費税の納税があり、売上別の額は消費税の納税額早見表にまとめています。
配偶者控除や扶養控除で所得税と住民税は減りますが、家族が同じ国民健康保険に加入していれば人数分の均等割が増えます。表は基礎控除のみ・国民健康保険は本人1人の前提です。
利益が事業主控除の290万円以下ならかかりません。また文筆業など一部の業種は個人事業税の対象外で、その場合は表の事業税の欄が0になります。対象かどうかは都税事務所の業種の一覧で確かめられます。
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