個人事業主の国民健康保険料は、前年の所得から43万円を引いた額に料率を掛け、加入者の人数分の均等割を足して決まります。このページでは、江東区の令和8年度の料率をそのまま使って、計算の手順、所得別の早見表、上限、家族の人数と軽減、23区の料率の違い、そして会社の社会保険との比べ方までを、税理士・公認会計士が1枚に整理しました。
国民健康保険料は、医療分・後期高齢者支援金分・子育て支援金分・介護分 (40〜64歳だけ) の4つの区分を別々に計算して合計します。それぞれに「所得に応じて増える所得割」と「加入者1人ごとの均等割」があり、区分ごとの上限 (賦課限度額) で頭打ちになります。会社の健康保険と違って扶養の考え方が無いため、家族が加入すればその人数分だけ増えます。
東京23区は令和8年度、23区のうち20区が江東区と同じ料率です。負担が重いと感じたときに比べる相手は、法人化して入る会社の社会保険 (協会けんぽ・厚生年金) で、こちらは所得ではなく役員報酬の月額で決まります。ご自身の数字での比較は、無料の法人化シミュレーションからどうぞ。
このページについて — 気になるところから読めます
国民健康保険料は1つの率で決まるのではなく、使いみちの違う4つの区分をそれぞれ計算して合計します。区分ごとに「所得割の率」「均等割の額」「上限」が決まっています。
| 区分 | 均等割 | 所得割 | 上限 (賦課限度額) |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 加入者数×47,600円 | 賦課基準額×7.51% | 67万円 |
| 後期高齢者支援金分 | 加入者数×17,600円 | 賦課基準額×2.80% | 26万円 |
| 子育て支援金分 | 18歳以上の加入者数×1,873円 | 賦課基準額×0.27% | 3万円 |
| 介護分 (40〜64歳の加入者だけ) | 40〜64歳の加入者数×17,800円 | 賦課基準額×2.43% | 17万円 |
| 合計 (40歳未満 / 40〜64歳) | — | 10.58% / 13.01% | 96万円 / 113万円 |
賦課基準額 = 前年の総所得金額等 - 43万円 (基礎控除)。区分ごとに「均等割+所得割」を出し、上限で止めて合計します。子育て支援金分の均等割は高校生相当年齢までの加入者にはかかりません。
前年の総所得金額等から基礎控除 (合計所得金額2,400万円以下なら43万円) を引いた額が「賦課基準額」です。個人事業主なら、売上から経費と青色申告特別控除を引いた後の所得が出発点になります。ここで引けるのは基礎控除だけで、所得税で使う社会保険料控除や配偶者控除は引けません。
4つの区分それぞれで、賦課基準額に所得割の率を掛け、加入者の人数分の均等割を足します。介護分は40〜64歳の加入者だけ、子育て支援金分の均等割は高校生相当年齢までの加入者にはかかりません。
区分ごとに賦課限度額を超えた分は切り捨て、4つを足した額が1年分の保険料です。年度の保険料は6月中旬の納入通知書で知らされ、納付書なら6月から翌年3月までの10回 (月1回) で納めます。
前年の所得には、事業所得のほか給与・年金・不動産などの所得も入ります。特定口座の上場株式の売却益や配当も、確定申告をした場合は所得割の計算と均等割の減額判定の両方に入ります。所得税では還付になる申告でも保険料が増えることがあるので、申告の前に確かめてください。
江東区の料率で、本人1人 (家族の加入なし) の場合の年額を所得別にまとめました。ここでの所得は、収入から経費と青色申告特別控除を引いた後の金額です。
| 所得 | 40歳未満 | 40〜64歳 | 差 (介護分) |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 約23.3万円 | 約28.9万円 | 約5.6万円 |
| 300万円 | 約33.9万円 | 約41.9万円 | 約8.0万円 |
| 400万円 | 約44.5万円 | 約54.9万円 | 約10.5万円 |
| 500万円 | 約55.1万円 | 約67.9万円 | 約12.9万円 |
| 700万円 | 約76.2万円 | 約93.2万円 | 約17.0万円 |
| 1,000万円 | 約95.8万円 | 約112.8万円 | 約17.0万円 |
所得は収入から経費と青色申告特別控除を引いた後の金額。国民年金は含みません。均等割の軽減が当たる世帯は、この表より少なくなります。
表の金額は国民健康保険料だけです。このほかに国民年金の保険料が月17,920円 (令和8年度)、年に直すと約21.5万円かかります。世帯の実感としては、表の額に国民年金を足した合計で見るのが近いはずです。
介護分は40〜64歳の加入者だけが対象です。所得400万円なら、40歳未満の年約44.5万円が、40〜64歳では年約54.9万円になります。65歳からは介護保険料が国保とは別に年金から引かれる形に変わります。
所得帯ごとの読み方と、負担が重いと感じたときの考え方は「国民健康保険料の早見表 (江東区・令和8年度)」で解説しています。
区分ごとの上限を足した額が、その人の保険料の天井です。所得が増えても、保険料はこの額で止まります。
江東区の令和8年度の料率で単身なら、介護分は所得600万円台、医療分は800万円台、後期高齢者支援金分は900万円台で上限に達し、子育て支援金分だけ1,000万円を超えてから頭打ちになります。早見表で高い所得帯の差が小さくなるのは、このためです。
上限の額は国の基準に合わせて毎年のように引き上げられており、令和8年度は前年度より上がっています。上限の引き上げの経緯と、上限に届く人にとっての意味は「国民健康保険料の上限は令和8年度で113万円」にまとめています。
会社の健康保険と違い、国民健康保険には「扶養」という考え方がありません。配偶者やお子さんが加入すれば、その人数分の均等割がかかります。一方で、次の軽減があります。
6歳に達する日以後の最初の3月31日までの加入者は、均等割が5割減額されます。高校生相当年齢までの加入者には、子育て支援金分の均等割がかかりません。
令和8年度の江東区の判定は、世帯の所得の合計が43万円以下なら7割、43万円+31万円×加入者数以下なら5割、43万円+57万円×加入者数以下なら2割です (給与・年金の所得がある人が2人以上の世帯は、43万円に10万円×(その人数-1)を足して判定)。減額されるのは均等割だけで、所得割はそのままかかります。判定は「世帯」の所得の合計で見るため、ご本人の所得が低くても、同じ世帯に所得のある家族がいれば対象から外れることがあります。
倒産・解雇など会社の都合で離職した方 (非自発的失業者) は、前年の給与所得を3割として計算するため所得割も下がります (申請が必要)。産前産後の期間に相当する保険料は届出で免除されます。災害で大きな損害を受けたときや、事業の休止・廃止などで収入が著しく減ったときは、申請により減免される場合がありますが、納期限を過ぎた保険料は対象にならないので早めに区へ相談してください。
東京23区は「統一保険料方式」を採っており、東京都保健医療局の「令和8年度 特別区国民健康保険料一覧表」(令和8年4月1日現在) では、医療分・後期高齢者支援金分・介護分の均等割と所得割の率が江東区と同じ区は、江東区を含めて20区あります。このページと早見表の数字は、そのままこの20区に当てはまります。
中野区 (医療分は均等割47,100円・所得割8.03%など) と江戸川区 (医療分は均等割48,900円・所得割7.83%など) は独自の率で、目黒区は介護分の所得割の率 (2.35%) だけが違います。この3区にお住まいの方は、区の試算ページで確かめてください。
統一保険料方式は23区の中だけの仕組みです。東京都下の市や、江東区に隣接する千葉県の市は市ごとに料率と上限が違うため、このページの数字はそのまま使えません。無料相談では、お住まいの市区町村の料率で試算します。
出典: 江東区 国民健康保険料の計算方法 (令和8年度の保険料率) / 国民健康保険料の軽減 / 東京都保健医療局 令和8年度 特別区国民健康保険料一覧表
国民健康保険は所得と家族の人数で決まり、会社の社会保険 (協会けんぽ・厚生年金) は役員報酬の月額で決まります。この違いが、法人化で負担が大きく動く理由です。
| 観点 | 国民健康保険 + 国民年金 | 会社の社会保険 (協会けんぽ + 厚生年金) |
|---|---|---|
| 何で決まるか | 前年の所得と加入者の人数 | 役員報酬の月額 (標準報酬月額) |
| 家族 | 加入者ごとに均等割がかかる (扶養なし) | 被扶養者には保険料がかからない |
| 誰が払うか | 全額を本人が払う | 本人と会社が半分ずつ (会社の分も社長のお金) |
| 将来の年金 | 国民年金 (定額) | 厚生年金の上乗せがある |
| 上限 | 年113万円 (40〜64歳・江東区・令和8年度) | 標準報酬月額の上限で頭打ち |
どちらが安いかは、所得の水準と家族構成、役員報酬をいくらにするかで変わります。計算の仕方は「国保と社保はどっちが安いのか」で、法人化した場合の税金まで含めた全体の比較は「法人化ガイド」で解説しています。まずは下のシミュレーションで、ご自身の数字を並べてみてください。
基礎控除 (合計所得金額2,400万円以下なら43万円) だけです。所得税で使う社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除は引けません。青色申告特別控除は所得を計算する段階で引かれるので、結果として保険料も下がります。
40〜64歳の加入者には介護分 (江東区の令和8年度は所得割2.43%・均等割17,800円・上限17万円) が加わります。所得400万円の単身なら、年約44.5万円が年約54.9万円になります。
令和8年度は、医療分・後期高齢者支援金分・介護分の均等割と所得割の率が江東区と同じ区が23区のうち20区です。中野区と江戸川区は独自の率で、目黒区は介護分の率だけが違います。23区の外の市は市ごとに料率が違います。
上がることがあります。特定口座の上場株式の売却益や配当は、確定申告をした場合は所得割の計算と均等割の減額判定の両方に入ります。所得税の還付を受けるための申告でも、保険料が増えて損になる場合があるので、申告の前に確かめてください。
このテーマを、1本ずつ記事で詳しく解説しています。
無料相談の中で、売上と利益を伺いながら概算の試算をその場でお出しできます。数字を見てから、ゆっくりご検討ください。
普段お使いの AI に相談
1. 相談したいことを選ぶ
2. 相談する AI を選ぶ
用意した質問文がそのまま渡ります。回答は各 AI サービスによるもので、当事務所の見解ではありません。