税理士の変更 | 時期と手順
税理士は、
いつ変えればいいか。
「返事が遅い」「聞かないと提案がない」「払っている額に見合っているのか分からない」。税理士を変えたいと思ったとき、何から手を付ければよいかを1枚にまとめました。変える前に確かめること、動きやすい時期、前の税理士への伝え方と引き継ぎ資料のリスト、そして弊所に変える場合に最初の1か月で何が起きるかまで、順に読めます。

「言い出しにくい」から、
変えるかどうかを決める前のご相談でもかまいません。45分の無料相談で、いまの契約と不満の中身を整理し、動く時期と引き継ぎの段取りをお伝えします。
佐々木 俊代表 | 税理士・公認会計士
切り替えの時期
状況ごとの動き方
| 状況 | 動き方 |
|---|---|
| 申告が終わった直後 | いちばん動きやすいと考えています。前の期の申告までを前任の事務所で完結でき、すでに始まっている新しい期の記帳は、期首からの資料・データを引き継いで進める |
| 決算の直前〜申告の作業中 | 避けることをお勧めします。データと責任が2つの事務所に分かれる |
| 年末調整〜1月 | 年末調整・法定調書・給与支払報告書・償却資産税申告と給与関係の事務が続く時期。急ぎでなければ外すことをお勧めします |
| 期の途中でやむを得ず | 前任の作業の進み具合 (記帳が何月分まで入っているか・進行中の届出)・預けている資料の返却・会計データの形式を先に確認してください |
変えるかどうか
不満の正体を言葉にしてから決める
税理士の変更は珍しいことではなく、事業の段階に合わせて付き合う専門家が変わるのは自然なことだと考えています。進め方の原則として、不満の正体を言葉にしてから動くこと、決算・申告の作業中をまたがず「申告が終わった直後」に切り替えること、先に次の税理士を決めてから今の契約の解約を申し出ることの3つをお勧めします。引き継ぎでいちばん大切なのは e-Tax と eLTAX の番号と暗証番号だと考えています。受け取らずに契約を終えると、再発行の手続が済むまでは、その番号でログインすることも電子申告することもできないため、必ず受け取ってください (個人でマイナンバーカードを使ってログインできる方は、e-Tax のマイページで利用者識別番号を確かめられます)。
「なんとなく合わない」のまま動くと、次の税理士選びでも同じことを繰り返しかねません。よくある不満はおおむね3つの系統に分かれます。ご自身の不満がどれに近いかが分かると、次の確認がしやすくなります。
よくある不満の3系統
返事が遅い・連絡がつきにくい
質問への返答に時間がかかる、繁忙期は音信が途絶えがち、という型です。「顧問料が高い」という不満も、掘り下げるとこの系統であることが少なくありません。金額そのものではなく、払っている額に対して受けているものが見合わない、という期待と実際の差です。
聞かないと何も提案がない
記帳と申告はしてくれるが、節税や資金繰り、納税の見通しの話がこちらから聞かないと出てこない型です。ただし「提案業務を含まない契約だった」という行き違いのこともあり、契約の範囲を読み直すと答えが出る場合があります。
契約時の説明と実態が違う
面談してもらえる約束だったのに担当者任せ・メールだけ、といった型です。税務調査など節目の対応に不安が残った場合もここに入ります。
変える前の3つの確認
その期待を、相手に伝えたことがあるか
「月に一度は数字の報告がほしい」「決算の3か月前には対策の相談がしたい」のように具体的に伝えると、あっさり改善されることがあります。伝えても変わらないなら、そのときが判断のタイミングです。
契約の範囲を読み直す — 解約の条件も同じ契約書で
記帳代行・月次報告・節税提案・融資支援のどこまでが料金に含まれるかを確認します。あわせて、解約の申し出は何か月前までか、期の途中でやめると違約金や残りの期間の顧問料がかかるか、決算や申告の直前は切り替えを避ける定めがあるか、の3点も見ておきます。
不満の原因の所在を切り分ける
耳の痛い話ですが、税理士側の対応は資料の届き方に左右される面があります。資料が毎月届いていないと、月次の報告や早めの提案は構造的に難しくなります。切り替えても資料の流れが変わらなければ同じ不満が再現しがちで、逆にクラウド会計の導入などで流れごと変える提案をしてくれる事務所なら、切り替えの効果は大きくなります。
3つを確認しても不満が残るなら、切り替えは前向きな選択です。一方で、いまの事務所に不満の中心を伝えて対応が変わるなら、それがいちばん早い解決ということもあります。「変えない」という結論も含めて、整理してから決めても遅くありません。詳しくは「税理士を変えたいと思ったら最初に整理する3つのこと」「税理士に不満があるとき、変える前に確認したい3つのこと」で解説しています。
いつ動くか
決算・申告の作業中をまたがない
切り替えの時期でいちばん大切なのは、決算・申告の作業中に担当が替わる形を避けることだと考えています。作業の途中で替わると、同じ期の会計データや資料が前後の事務所に分かれ、どこまでを誰が仕上げたのかも、その期の申告に対する責任の所在も曖昧になります。1つの期の記帳から申告までを同じ事務所で完結させる。これを守るだけで、引き継ぎの大半のトラブルは避けられます。
新しい事務所を探し始めること自体は、決算の少し前からでも問題ないと考えています。面談や見積もりに時間をかけ、実際の切り替えは申告後、という段取りにすれば、探す時間と引き継ぎの単純さを両立できます。先に解約してしまうと次が決まるまでの間に質問できる相手がいなくなり、届出や納付の期限だけが進んでいくので、先に次の事務所を決めてから、いまの契約の解約を申し出ることをお勧めします。時期の選び方は「税理士の切り替え時期はいつがいい」で詳しく整理しています。
手順
次を決める・契約を確認・伝える・資料を受け取る・引き継ぐ
手順そのものは難しくありません。難しいのは「変えるかどうか」の判断のほうで、決めたあとは5段階を淡々と進めれば足ります。
先に次の税理士を決める
前の契約を切ってから探し始めると、申告や記帳に空白期間ができます。先に次の依頼先を決めておけば、切り替えの時期も新しい税理士と相談しながら組めますし、受け取るべき資料も具体的に指示してもらえます。
今の契約内容を確認する
顧問契約書に解約の予告期間 (1〜3か月前までに申し出る、といった定め) や精算の決まりがないか、先に確かめてください。確認せずに急に伝えると、余分な顧問料の支払いなどでもめる原因になります。書面がない場合も、いつまでの業務をお願いするのかを先に整理しておきます。
前の税理士へ伝える — 感謝・決定事項・協力のお願いの3つ
これまでの対応への感謝、変更を決めた旨 (相談ではなく決定事項として簡潔に)、資料の返却と引き継ぎへの協力のお願い、の3つで足りると考えています。理由は「事業の方針が変わったため」「体制を見直すことにしたため」程度で十分で、細かな不満を並べる必要はないと考えています。引き継ぎに協力してもらう相手との関係を最後まで保つほうが実利があります。
引き継ぎ資料を受け取る — 番号と暗証番号を最優先に
受け取るものをリストにして漏れなく確認します。最も重要なのは、電子申告に使う番号と暗証番号です。下の一覧をご覧ください。
新しい税理士へ引き継ぐ
受け取った資料一式に加えて、今期の途中経過 (記帳がどこまで済んでいるか) と懸案になっている論点を最初に共有します。過去の申告内容は新しい税理士が引き継ぎ資料から読み取れるので、口頭で全部を説明し直す必要はないと考えています。
前の税理士から受け取るもの
- e-Tax の利用者識別番号と暗証番号、eLTAX の利用者 ID と暗証番号を受け取ってください (電子申告をしていた場合。登録してあるメールアドレスもあわせて)
- 過去3年分ほどの申告書の控えも受け取りましょう (個人は確定申告書、法人は法人税・地方税の申告書一式)
- 決算書と総勘定元帳 (または会計システムのデータ) を受け取り、データの出力形式も確かめてください
- 期の途中で切り替えるときは、今期の期首から切り替える日までの仕訳・残高と、まだ処理していない資料も受け取りましょう
- 税務署などへ提出した届出書の控え (青色申告の承認申請、納期の特例など) も受け取りましょう
- 給与計算も頼んでいた場合は、給与関係の資料 (源泉徴収簿・年末調整の資料) も受け取ってください
- 固定資産台帳も受け取りましょう
番号と暗証番号は、前の税理士に必ず確認する
電子申告を税理士に任せていた場合、e-Tax の利用者識別番号 (16桁) と暗証番号、eLTAX の利用者 ID と暗証番号は税理士側が管理していることが多いと見ています。聞かずに契約を終えると、再発行の手続が済むまでは、その番号でログインして e-Tax で過去に出した申告や通知を確かめることも、その番号で電子申告することもできないので、必ず前の税理士に確認してください (個人でマイナンバーカードを使ってログインできる方は、e-Tax のマイページで利用者識別番号を確かめられます)。過去に出した申告書は、申告書を作るのに内容を確かめる必要があるときは、税務署の申告書等閲覧サービスで本人や代理人 (税理士) が見ることもできます。分からないからと開始届出書を出し直して新しい番号を取ると、最後に取った番号だけが有効になり、それまでに e-Tax で提出した申告の内容や、古い番号のメッセージボックスは確認できなくなります。番号や暗証番号を忘れた場合は、税務署へ変更等届出書 (暗証番号等の再発行) を出せば、利用者識別番号はそのままで新しい暗証番号が通知書で届きます。このとき、事前に登録した電子証明書は消えるので、新しい暗証番号でログインしたあとに登録し直します。通知書は後日届くので、提出期限が間近な申告・申請は、e-Tax ではなく書面で出してください。秘密の質問と答えとメールアドレスを登録してあれば、利用者識別番号・登録したメールアドレス・生年月日 (法人は設立年月日) などを入力して暗証番号をオンラインで再設定でき、届出書は要りません。ただし、秘密の質問と答えを登録していない場合や、照会がうまくいかない場合は、所轄の税務署へ電子申告・納税等開始 (変更等) 届出書を改めて出します。eLTAX の利用者 ID も、取り直すより今までのものを引き継いで使うのが無難です。eLTAX の暗証番号の再設定には、利用届出のときに登録したメールアドレスが要ります。
ログインできることを確かめ、暗証番号を変えましょう
新しい税理士に決まったら、受け取った番号と暗証番号でログインできることを最初に確かめ、暗証番号は新しいものに変えておきましょう。前の税理士が引き続き使える状態を残さないためです。eLTAX に登録したメールアドレスなどの利用者情報は、PCdesk などのソフトから照会・変更でき、変更は利用者本人だけが行えます。前の税理士のメールアドレスが登録されたままになっていないかも確かめて、変えておきましょう。
前の税理士の税務代理が終わったことを知らせる
法人は原則として異動届出書の「異動事項等」欄に税務代理の委任が終了した旨を、「異動前」欄に前の税理士の名称・所在地を書いて出し、個人は同じ事項を任意の様式で通知します (前の税理士の側から通知書を出す手続もあります)。新しい税理士の税務代理権限証書は、新しい税理士が税務署へ出します (税理士法30条)。
手順の全体と伝え方の文例は「税理士変更の手順 — 前の税理士への伝え方と引き継ぎ資料のリスト」にまとめています。
出典: e-Tax 開始 (変更等) 届出書の選択 (再度の開始届出で以前の申告内容が確認できなくなる注意) / 利用者識別番号を二重に取得した場合のメッセージボックス / 利用者識別番号やパスワードをお忘れになった場合は / 利用者識別番号や暗証番号を万一忘れてしまったような場合は (よくある質問) / ご利用の流れ (利用者識別番号は半角16桁) / 秘密の質問と答えでパスワードを再設定する (よくある質問) / 国税庁 タックスアンサー No.9211 申告書等の確認方法 (申告書等閲覧サービス)
出典: 国税庁 税務代理権限証書に記載した税務代理の委任が終了した旨の通知書 / 地方税共同機構 (eLTAX) 利用届出の変更 / 暗証番号を再設定するときには / e-Gov 法令検索 税理士法30条 (税務代理の権限の明示)
弊所に変える場合
最初の1か月で起きること
弊所に変える場合は、初回の無料相談 (45分・オンライン) で「いま何にいくら払っていて、何が含まれているか」の整理から始めます。決算・申告料込みの月額で、含まれる業務と別料金を先に明示し、ご質問には確認でき次第すぐに、遅くとも1営業日以内にご返信します。変えることを前提にしないご相談でもかまいません。
切り替え先の候補として弊所にご興味があれば、いまの契約内容とご不満の中身を伺ったうえで、何ができるかを率直にお答えします。ご相談からサポート開始までは、すべてオンラインで完結します。郵送も来所も不要です。
無料相談 (45分・オンライン) — いまの契約の整理から
お問い合わせフォームの送信後の画面で、その場で面談の日時が確定します。面談では「いま何にいくら払っていて、何が含まれているか」と、ご不満の中心がどの系統かを一緒に整理します。変えることを前提にしないご相談でもかまいません。
お見積り — 面談の場でお伝えします
売上規模と月間の仕訳数で月額が決まる料金表なので、面談の場でお見積額をお伝えできます。決算・申告料は月額に含まれ、別にいただくのは消費税の申告料 (課税事業者の方のみ) とご依頼があった場合のスポット業務だけです。含まれる業務と別料金は、ご契約の前に文書で明示します。
電子契約
ご納得いただけたら電子契約で締結します。紙のやり取りはありません。
引き継ぎ — 受け取る資料のリストをお渡しします
前の税理士から受け取る資料のリスト (上の一覧) をお渡しし、受け取った e-Tax・eLTAX の番号と暗証番号でログインできることを確かめ、暗証番号の変更と登録メールアドレスの見直しまでご一緒に行います。弊所の税務代理権限証書は弊所が税務署へ提出します。
サポート開始 — 連絡手段はお好きなもので
初回打合せで資料のご準備と、クラウド会計 (freee・マネーフォワード) での記帳の進め方をご案内します。ふだんのやり取りは LINE・Chatwork・Google Chat・メールなど、お使いの手段で。ご質問には確認でき次第すぐに、遅くとも1営業日以内にご返信します。窓口は代表税理士で、担当者への丸投げはありません。
よくある質問
よく聞かれること
Qいまの税理士との契約は、どう終えればよいですか?
顧問契約書に解約の予告期間 (1〜3か月前までに申し出る、といった定め) や精算の決まりがないか、先に確かめてから申し出てください。書面がない場合も、いつまでの業務をお願いするかを先に整理しておきます。なお、いまの税理士の承諾は要らないと考えています。誰に頼むかは事業の判断です。
Q期の途中でも変えられますか?
変えられますが、決算・申告の作業中をまたがず、申告が終わった直後に切り替えることをお勧めします。期の途中で替わる場合は、前任の作業がどこまで済んでいるか (記帳が何月分まで入っているか・進行中の届出)、預けている資料の返却、会計データの形式の3つを先に確認しておくことをお勧めします。
Q前の税理士に、何をどう伝えればよいですか?
これまでの対応への感謝、変更を決めた旨 (相談ではなく決定事項として簡潔に)、資料の返却と引き継ぎへの協力のお願い、の3つで足りると考えています。理由は「事業の方針が変わったため」「体制を見直すことにしたため」程度で十分で、細かな不満を並べる必要はないと考えています。
Qe-Tax の利用者識別番号や暗証番号が分からないときは?
まず前の税理士に確認します。分からないからと開始届出書を出し直して新しい番号を取ると、最後に取った番号だけが有効になり、それまでに e-Tax で提出した申告の内容や古い番号のメッセージボックスは確認できなくなります。忘れた場合は税務署へ変更等届出書 (暗証番号等の再発行) を出せば、番号はそのままで新しい暗証番号が通知書で届きます (秘密の質問と答えとメールアドレスを登録してあれば、暗証番号はオンラインで再設定できます)。通知書は後日届くので、提出期限が間近な申告は書面で出してください。eLTAX の利用者 ID も、取り直すより今までのものを引き継いで使うのが無難です。
Q税理士を変えたら、税務署に何か届け出ますか?
法人は原則として異動届出書で、前の税理士への税務代理の委任が終了した旨と前の税理士の名称・所在地を届け出ます (個人は同じ事項を任意の様式で通知します。前の税理士の側から通知書を出す手続もあります)。新しい税理士の税務代理権限証書は、新しい税理士が税務署へ提出します。弊所に変える場合は弊所が提出します。
Q変えると、顧問料は下がりますか?
一概には言えません。月額が下がっても決算申告料や記帳代行が別料金なら、年間の合計は変わらないか増えることもあると考えています。月額 × 12か月 + 決算申告料 + スポット業務の年間の合計と、含まれる業務で比べてください。弊所は決算・申告料込みの月額で、別にいただくのは消費税の申告料 (課税事業者の方のみ) とご依頼があった場合のスポット業務だけです。
無料相談
いまの契約の整理から、相談できます

税理士の変更を相談する
変えるかどうかを、決める前に話したい方へ
変えることを前提にしないご相談でもかまいません。45分の無料相談で、いま何にいくら払っていて何が含まれているかを整理し、動く時期と引き継ぎの段取り、弊所の場合のお見積りまでお伝えします。
- いまの契約に含まれている業務と、別料金の整理
- 決算・申告の作業をまたがない切り替えの時期
- 前の税理士から受け取る資料と、番号・暗証番号の引き継ぎ
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