事前確定届出給与を使うには、国税庁の様式「事前確定届出給与に関する届出書」と「付表1」を税務署へ出します。どの欄に何を書くかを、様式の番号に沿って記載例つきで整理しました。
事前確定届出給与を使うには、国税庁の様式「事前確定届出給与に関する届出書」と「付表1」を税務署へ出します。どの欄に何を書くかを、様式の番号に沿って記載例つきで整理しました。
この記事の要点
様式は国税庁のページからダウンロードできます。届出書は会社に1枚、付表1は支給を受ける役員1人につき1枚作ります。金銭で支給する通常のケースは付表1で、株式や新株予約権で支給する場合は付表2という別の様式です。

上部の欄(提出先・法人名・納税地・代表者名など)は登記簿のとおりに書きます。番号の付いた欄は次のとおりです。
| 欄 | 何を書くか | 記載例 |
|---|---|---|
| ① 株主総会等の決議をした日・決議をした機関等 | 決めた日と、決めた機関の名前 | 令和8年5月25日 株主総会(合同会社は総社員の同意) |
| ② 職務の執行を開始する日 | 役員としての仕事が始まる日(定時株主総会の日など) | 令和8年5月25日 |
| ③ 臨時改定事由の概要・生じた日 | 通常は空欄(役員の急な就任・地位の変更があったときだけ) | - |
| ④ 事前確定届出給与等の状況 | 役員ごとに作る付表1の番号の範囲 | No.1〜No.2 |
| ⑤ 定期同額給与による支給としない理由・支給時期をその時期とした理由 | 会社の実情を具体的に | 資金繰りを考慮し、あらかじめ定めた時期にまとめて支給するため |
| ⑥ その他参考となるべき事項 | 会社を作った1年目は設立年月日 | 設立年月日 令和8年4月1日 |
⑤の理由は、例文をそのまま写すのではなく、実際の事情に合わせて書きます。「売上の入金が集中する12月に支給する」など、支給時期を決めた背景が分かる書き方にしておくと安心です。

| 欄 | 何を書くか | 記載例 |
|---|---|---|
| A 氏名・役職名 | 支給を受ける役員1人分 | 山田太郎(代表取締役) |
| B 職務の執行の開始の日・職務執行期間 | 開始の日と、次の定時株主総会までの期間 | 令和8年5月25日〜令和9年の定時株主総会の日 |
| C 当該事業年度 | この届出をする事業年度 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日 |
| D 職務執行期間開始の日の属する会計期間 | 通常はCと同じ | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日 |
| E 事前確定届出給与に関する事項 | 議事録で決めた支給時期と支給額をそのまま | 令和8年12月10日 1,500,000円 |
| F 事前確定届出給与以外の給与 | 毎月の役員報酬(定期同額給与)の支給時期と金額 | 毎月25日 300,000円 |
Eの支給日と支給額は、届出どおりに支給しないと損金にならない、要になる欄です(法人税法34条1項2号)。議事録の数字と1円・1日もずれないよう、写し間違いに注意します。
提出先は納税地の所轄税務署長で、e-Taxでも提出できます。期限は原則、株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日までですが、会計期間の開始から4か月を経過する日のほうが早ければその日までです(法人税法施行令69条4項)。新しく設立した法人は、設立の日から2か月を経過する日までです。
3月決算で5月25日に決議した会社なら、6月25日が期限です。期限を1日でも過ぎると、その事業年度の賞与は損金になりません。あなたの会社の期限は、いつになるでしょうか。
同族会社に当たらない会社が、毎月の給与を受け取らない役員(非常勤役員など)に金銭で支給する場合は、この届出自体が不要です(法人税法34条1項2号)。
一方、届出のあとに支給額や支給日を変えたいときは変更の届出、役員の急な就任などの臨時改定事由があるときは期限の数え方が変わります。こうした場面は個別の判断が要るので、届出前にご相談ください。
届出書と付表1は、議事録で決めた日付と金額をそのまま写す書類です。先に議事録で「誰に・いつ・いくら」を確定させておけば、届出書の作成は難しくありません。弊所のページでは、議事録(合同会社は同意書)をその場で作り、入力した内容が届出書の記載例にも反映されます。まず下のシミュレーションで支給額の設計を確かめ、それから議事録と届出書へ進んでみてください。
※本記事は金銭で支給する一般的なケースの書き方です。株式や新株予約権で支給する場合、既に届け出た内容を変更する場合(変更届出)は対象外です。
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