事前確定届出給与を使うと決めたら、次に確かめるのは届出の期限です。期限は場面によって3通りあり、1日でも過ぎるとその事業年度は使えません。それぞれの数え方を整理しました。
事前確定届出給与を使うと決めたら、次に確かめるのは届出の期限です。期限は場面によって3通りあり、1日でも過ぎるとその事業年度は使えません。それぞれの数え方を整理しました。
この記事の要点
事前確定届出給与の損金算入には、税務署への届出が要件です(法人税法34条1項2号イ)。届出の期限は法人税法施行令69条4項に定められていて、場面ごとに次のようになります。
| 場面 | 期限 |
|---|---|
| 定時株主総会などで決めた場合(原則) | 決議の日から1か月を経過する日。ただし会計期間開始から4か月を経過する日のほうが早ければその日 |
| 新しく設立した法人 | 設立の日から2か月を経過する日 |
| 役員の職制上の地位の変更などの臨時の事由 | その事由が生じた日から1か月を経過する日 |
なお、決議の日が職務執行の開始の日より後のときは、開始の日から数えます。
3月決算の会社で、5月25日の定時株主総会で決議した場合を数えてみましょう。決議から1か月を経過する日は6月25日、会計期間開始(4月1日)から4か月を経過する日は7月31日です。2つのうち早いほうが期限になるので、この会社の期限は6月25日です。
総会が遅い会社では逆転します。仮に7月10日に決議すると、1か月後は8月10日ですが、これは7月31日より後です。この場合、期限は7月31日まで縮みます。「総会から1か月ある」と思い込んでいると危ない場面です。
期限内の届出が損金算入の要件なので、届出をしないまま賞与を支給すること自体はできますが、その賞与は損金になりません。法人の利益がその分大きく計算され、法人税等が増えます。
この場合、あわてて期限後に届出を出しても、その事業年度の賞与には効きません。翌事業年度の決議・届出からやり直すことになります。
届出のとおりに支給しないと、原則としてその支給額の全額が損金不算入になります。役員の地位の変更などの臨時の事由や、経営状況が著しく悪化した場合には、期限内に変更の届出をする道があります(法人税法施行令69条5項)。
このあたりの手続きはケースごとの判断が多いので、変えたくなった時点で早めにご相談ください。
納税地の所轄税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出します。付表(事前確定届出給与等の状況)もあわせて記載します。
必要です。届出はその決議に係る事業年度ごとのもので、翌年も使うなら翌年の決議と届出をあらためて行います。
あなたの会社の期限は、いつになりそうでしょうか。事前確定届出給与は、金額の設計よりも先に、期限と支給管理でつまずきやすい制度です。決算月と総会の時期から、自社の期限を先に押さえておくのが安全です。支給額の設計を試したい方は、下のシミュレーションで月給と賞与の配分による違いを確かめてみてください。
※期限の数え方は原則的な場面を整理したものです。会計監査人を置く会社の特例など、当てはまらない場合があります。個別の期限は必ず届出前にご確認ください。
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