会社の利益にかかる税金は、法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税・特別法人事業税の5つに分かれますが、まとめて「法人税等」として利益の何%かで見るのが実務の目安です。このページでは、利益 (課税所得) 別に法人税等の額・負担率・手元に残る額を1行ずつ並べ、赤字でもかかる均等割までを、税理士・公認会計士が令和8年度の税率で計算しました。
小さな会社の法人税等は、利益400万円以下の部分が21.37%、400万円超800万円以下の部分が23.17%、800万円を超えた部分が33.58%の3段で決まります。利益500万円なら年約115.6万円、利益1,000万円なら年約252.3万円です。これに、赤字でもかかる法人住民税の均等割 (東京23区の小さな会社で年7万円) が加わります。
ここでの利益は、売上から経費・役員報酬・社会保険料の会社負担を引いた後の課税所得です。役員報酬をいくら取るかで法人の利益と社長個人の税金が同時に動くため、法人化の損得は会社と社長を合わせて見る必要があります。ご自身の数字は、無料の法人化シミュレーションでその場で比べられます。
このページについて — 気になるところから読めます
利益は法人税の課税所得 (売上から経費・役員報酬・社会保険料の会社負担などを引いた額) です。法人税等は法人税・地方法人税・法人住民税 (均等割を含む)・法人事業税・特別法人事業税の合計、負担率は法人税等を利益で割った割合です。
| 利益課税所得 | 法人税等均等割を含む | 負担率 | 手元に残る額 |
|---|---|---|---|
| 0円 (赤字を含む) | 約7.0万円 | — | 約▲7.0万円 |
| 100万円 | 約28.4万円 | 28.4% | 約71.6万円 |
| 200万円 | 約49.7万円 | 24.9% | 約150.3万円 |
| 300万円 | 約71.1万円 | 23.7% | 約228.9万円 |
| 400万円 | 約92.5万円 | 23.1% | 約307.5万円 |
| 500万円 | 約115.6万円 | 23.1% | 約384.4万円 |
| 600万円 | 約138.8万円 | 23.1% | 約461.2万円 |
| 800万円 | 約185.2万円 | 23.1% | 約614.9万円 |
| 1,000万円 | 約252.3万円 | 25.2% | 約747.7万円 |
| 1,500万円 | 約420.2万円 | 28.0% | 約1,079.8万円 |
| 2,000万円 | 約588.1万円 | 29.4% | 約1,411.8万円 |
| 3,000万円 | 約924.0万円 | 30.8% | 約2,076.0万円 |
法人税等 = 法人税・地方法人税・法人住民税 (均等割を含む)・法人事業税・特別法人事業税の合計。法人事業税が翌年の損金になることを織り込んだ実効税率で、毎年同じ利益が続く前提の目安です。
利益100万円で負担率が高いのは、利益の大きさに関係なくかかる均等割7万円の割合が大きいためです。利益400万円から800万円の間は約23%でほぼ一定で、800万円を超えた部分に約34%がかかるため、利益1,000万円以上で負担率がじわじわ上がります。
会社に残ったお金は、次の年の運転資金や設備投資、役員退職金の原資になります。社長個人に移すには役員報酬か配当になり、そこで社長個人の所得税・住民税・社会保険料がかかります。
出典: 国税庁タックスアンサー No.5759 法人税の税率 / 東京都主税局 法人事業税・法人都民税 / 東京都主税局 特別法人事業税
法人税は利益800万円以下の部分に軽減税率、法人事業税は利益400万円と800万円で段が変わるため、5つの税金を合わせた実効税率は次の3段になります。
| 利益の段 | 実効税率 (5つの税金の合計) |
|---|---|
| 利益400万円以下の部分 | 21.37% |
| 利益400万円超800万円以下の部分 | 23.17% |
| 利益800万円超の部分 | 33.58% |
| 法人住民税の均等割 | 年7万円 (利益に関係なく定額) |
段を超えた部分にだけ高い率がかかります (超えた瞬間に全体の率が上がるのではありません)。
法人事業税と特別法人事業税は、納めた年の翌年に経費 (損金) になります。表の率はその分を織り込んだ実効税率で、税率表の数字を単純に足した表面の率より少し低くなります。毎年同じ利益が続く前提の目安です。
利益が800万円を1円でも超えると全体の率が上がるわけではなく、超えた部分にだけ約34%がかかります。役員報酬や経営セーフティ共済の掛金で利益を800万円の手前に収める考え方はここから来ていますが、報酬を増やせば社長個人の税金と社会保険料が増えるため、会社と社長の合計で見ないと判断を誤ります。
資本金5億円以上の大法人に100%支配されている会社は、資本金が1,000万円以下でも法人税の軽減税率が使えず、利益800万円以下の部分にも本則の23.2%がかかります。資本金1億円超の会社は法人事業税が外形標準課税になり、率の段も変わります。設立初年度や決算期を変えた年など事業年度が1年未満のときは、軽減税率と法人事業税の段の「800万円」「400万円」を月数で按分した額が枠になります。
法人住民税の均等割は、利益に関係なく会社があるだけでかかる定額の税金です。資本金1,000万円以下・従業員50人以下の会社が東京23区に本店を置く場合、年7万円です。
表の利益0円の行が7万円なのはこのためです。赤字は青色申告をしていれば欠損金として翌年以降10年間の利益と相殺でき、白色申告では繰り越せません。赤字の年の扱い (欠損金の繰越と繰戻し) は「法人が赤字のときの税金」で解説しています。
年7万円は、本店だけが東京23区にある会社の額です。23区の外の市に支店や店舗を置くと、その市の市町村民税と都道府県民税の均等割が別にかかり、区内に2つ目の拠点があっても区ごとに数えます。均等割・法人税・法人住民税は経費 (損金) になりません。
均等割のほかに、決算・申告の費用、社会保険料の会社負担など、会社を持つだけでかかる費用があります。年間の目安は「法人の維持費は年間いくら」にまとめています。
個人事業主の税金は利益が増えるほど率が上がりますが、法人税等の率は800万円を超えても約34%で止まります。ただし法人化すると、役員報酬にかかる社長個人の所得税・住民税と、会社と本人で払う社会保険料が別にかかります。
個人のまま続けた場合の負担は「個人事業主の税金早見表」に利益別でまとめています。法人化後は、この表の法人税等に社会保険料 (会社負担と本人負担) と社長個人の税金を足した合計と比べます。分岐点の目安は「法人化ガイド」へ。
役員報酬を増やすと法人の利益 (この表の左の列) が減り、社長個人の税金と社会保険料が増えます。ただし役員報酬は、毎月同じ額を払う定期同額給与か、事前に届け出た賞与 (事前確定届出給与) の形でないと会社の経費 (損金) になりません。期の途中で増やした分は、役職の変更や業績の著しい悪化といった特別の事情がない限り経費から外れ、不相当に高い額も同じです。月額は原則として期首から3か月以内に決めます。月額の決め方と手取りは「役員報酬の決め方」と「役員報酬の手取り早見表」で確かめられます。
利益800万円以下の小さな会社の実効税率の目安です。法人税の軽減税率と地方税を合わせ、法人事業税が翌年の損金になることまで織り込んだ率で、資本金1億円超の会社や東京23区以外の会社では率が変わります。
法人住民税の均等割 (東京23区の小さな会社で年7万円) はかかります。赤字は欠損金として翌年以降の利益と相殺できるため、翌年の法人税等は減ります。
法人の利益が減る分だけ法人税等は減りますが、社長個人の所得税・住民税と、会社と本人で払う社会保険料が増えます。会社と社長の合計で比べないと判断を誤ります。
このテーマを、1本ずつ記事で詳しく解説しています。
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