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事前確定届出給与の届出書をe-Taxで提出する手順 — e-Taxソフト(WEB版)で作る届出書と付表1、法人の利用者識別番号と電子証明書、送信後の受信通知が控えになる、間に合わないときの出し方

「株主総会で役員賞与の日と金額を決めた。届出書は税務署に持っていかずに、e-Taxで出せるのか」。事前確定届出給与の届出を初めて自分で出す社長の方から、こうした質問を受けることがあります。

事前確定届出給与は、所定の時期に確定した額を支給する定めに基づく役員給与で、定めの内容を納税地の所轄税務署長に届け出ていることが損金算入の条件です(法人税法34条1項2号イ)。この記事では、届出書と付表1をe-Taxで作って送る流れ、事前に用意するもの、送信後に控えとして残すもの、期限と間に合わないときの出し方を整理します。

この記事の要点

  • 届出書と付表1は、e-Taxソフト(WEB版)の「法人設立及び異動手続」の一覧にある「事前確定届出給与に関する届出」から作って送信できます。パソコンだけで使え、送信には電子署名が要ります
  • 用意するのは、法人の利用者識別番号(16桁)と、商業登記の電子証明書か代表者のマイナンバーカードなどの電子証明書です。税理士が代理送信するなら、本人の電子署名は省略できます
  • 期限は、原則として決議した日から1か月を経過する日(その日が会計期間開始の日から4か月を経過する日より後なら4か月を経過する日)で、新設法人は設立の日以後2か月を経過する日です(法人税法施行令69条4項1号)。申告期限の延長月数の指定を受けた法人などは4か月が延び、期中の役員の職制上の地位の変更など(臨時改定事由)による定めは、事由が生じた日から1か月を経過する日の方が遅ければその日が期限です(法人税法施行令69条4項)。e-Taxは受付システムに記録された時に届いたことになります

まず結論 — WEB版にログインし、届出書と付表1を入力して電子署名で送る

e-Taxソフト(WEB版)はブラウザで使う型で、法人の届出は「法人設立及び異動手続」の分類にまとまっています。事前確定届出給与に関する届出はその項番11で、スマートフォンからは使えず、送信に電子署名が要る手続きです。電子証明書を登録していないと作成手続の選択画面に表示されないので、先に登録を済ませます。

e-Taxで届出書を出すまで

  1. 利用者識別番号と電子証明書を用意

    初めてなら電子申告・納税等開始届出で16桁の利用者識別番号を取り、法人の電子証明書を準備する

  2. WEB版にログインし、電子証明書を登録

    マイページの「その他の登録情報」から電子証明書を登録すると、法人設立及び異動手続の一覧に届出が表示される

  3. 作成手続きを選び、送信方法を選ぶ

    「申告・申請・納税」メニューの「新規作成」から「法人設立及び異動手続きの申請・届出」を選び、本人送信か代理送信かを選ぶ

  4. 届出書と付表1を入力

    対象の役員の氏名と役職名、支給時期と各支給額、決議した日と機関、職務執行開始の日、事前確定届出給与とする理由などを入力する(法人税法施行規則22条の3第2項)

  5. 電子署名して送信し、受信通知を保存

    代表者の電子証明書で署名して送信し、メッセージボックスの受信通知で受付日時と受付番号を確かめて保存する

付表1には支給する役員ごとの支給時期と支給額を書き、届出書本体には決議の日と機関、職務執行の開始の日、定期同額給与としない理由などを書きます(法人税法施行規則22条の3第2項)。欄ごとの書き方は、このサイトの届出書の書き方の記事に記載例があります。

用意するもの — 利用者識別番号と、法人の電子証明書

e-Taxで届出を送るために用意するもの
用意するもの中身取り方
利用者識別番号半角16桁の番号。e-Taxを使うための番号e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーから開始届出書を送信すると取得できる。書面で税務署へ出す方法や、関与税理士に代理送信してもらう方法もある
電子証明書送信データが本人の作成で改ざんされていないことを確かめる署名用商業登記認証局の電子証明書、公的個人認証局が発行する法人代表者に係る電子証明書(代表者のマイナンバーカード)、民間認証局の電子証明書のいずれか。登記をしていない法人は商業登記認証局のものは使えない
読み取りの機器ICカードに入った電子証明書を読む機器ICカードリーダライタか、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン

送信後 — 受信通知が控えになり、収受日付印の代わりになる

送信すると、メッセージボックスに「受信通知」が入ります。受信通知には、届け出た法人の名称、提出先税務署、受付日時、受付番号、手続きの名前が表示され、届出書が税務署に到達したことの確認になります。保存期間を過ぎるとメッセージボックスから消えるので、画面を保存するか印刷して、議事録と一緒に残しておきます。

書面で出した届出書の控えには、令和7年1月から税務署の収受日付印が押されなくなりました。e-Taxなら受信通知で受付日時と受付番号が残り、必要なら受信通知から電子申請等証明書の交付を請求できます。提出した日の証拠は、受信通知が1枚あれば足ります。

期限と、間に合わないときの出し方 — e-Taxは記録された時に到達、書面は持参か送付

届出の期限は、株主総会等の決議で定めをした場合、その決議の日(職務執行の開始の日より後なら開始の日)から1か月を経過する日です(法人税法施行令69条4項1号)。ただし、その日が会計期間開始の日から4か月を経過する日より後なら、4か月を経過する日が期限です(法人税法施行令69条4項1号)。この4か月は、確定申告書の提出期限を延長する月数の指定を受けている法人ではその指定に係る月数に3を加えた月数、一定の通算法人では5か月になります(法人税法施行令69条4項1号)。

新たに設立した法人が設立時の役員の職務について定めた場合は、設立の日以後2か月を経過する日です(法人税法施行令69条4項1号)。期中の役員の職制上の地位の変更など(臨時改定事由)で、直前の職務に定めの無かった役員の職務について定めた場合は、上の期限と、事由が生じた日から1か月を経過する日のいずれか遅い日が期限です(法人税法施行令69条4項)。

3月決算の会社が5月25日の定時株主総会で定めた場合

  1. 4月1日会計期間の開始
  2. 5月25日定時株主総会で支給日と金額を決議(職務執行の開始)
  3. 6月25日決議の日から1か月を経過する日

総会が7月にずれた年は、会計期間開始から4か月を経過する7月31日が先に来るので、そちらが期限です。

e-Taxは、メンテナンス時間を除いて24時間利用できます。電子証明書の準備が期限に間に合わないときは、書面の届出書と付表1を1部、納税地の所轄税務署へ持参するか送付します。税務署の総合窓口の受付時間は、令和8年10月1日から全ての税務署で原則9時から15時までです。

書類の提出日は、原則として税務署に書類が届いた日です。ただし、提出時期に具体的な制約がある書類(後続の手続に影響を及ぼすおそれのある書類を除きます)を郵便や信書便で出した場合は、通信日付印により表示された日が提出日とみなされます。郵送するなら、送った日の記録が残る方法で、余裕を持って出してみてください。

届出書と付表1の書き方は届出書の書き方の記事にまとめています。付表1と議事録を国税庁の様式に重ねたPDFで作る道具は、このサイトの作成ページにあります。届出を出し忘れたときの立て直しは届出を忘れたらの記事に書きました。

支給の時期と額を決める段階からの検討は、このサイトの事前確定届出給与のページで確かめてみてください。実行の際は、支給日の資金まで含めて事前にご相談ください。

※日付は3月決算の会社が5月25日に定時株主総会を開いた例です。

※合同会社の場合: 本文の「株主総会の決議」は株式会社の場合の手続きです。合同会社の業務は、社員が2人以上なら、定款に別段の定めがある場合を除き社員の過半数で決めます(会社法590条2項)。業務を執行する社員を定款で定め、その社員が2人以上あるときは、定款に別段の定めがある場合を除き業務執行社員の過半数で決めます(会社法591条1項)。定款を変更して報酬に関する定めを置く場合は、定款に別段の定めがある場合を除き総社員の同意が必要です(会社法637条)。いずれの場合も、同意書・決定書の形で日付と内容を書面に残します。税務の届出などで「株主総会等の決議」が求められる場面では、合同会社ではこの決定・同意がこれに当たります(法人税法施行令69条3項)。

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この記事のテーマで使える道具・専門ページ

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※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する税務上の助言ではありません。内容は執筆時点の法令等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。

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