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役員報酬40万円の手取りはいくらか — 社会保険料・税金の内訳と会社負担を足した実額、30万円・50万円との差

役員報酬を月40万円にしたとき、手元にいくら残るのか。社会保険料と所得税・住民税の内訳、会社負担を足した総額、月30万円・50万円との違いを弊所の試算で整理しました。

この記事の要点

  • 月40万円の手取りは月あたり約31.6万円(年3,787,652円)で、額面の約79%と試算しています
  • 天引きは年約101.2万円で、いちばん大きいのは社会保険料の本人負担。会社負担の社会保険料を足した会社の総額は年約551.6万円です
  • 30万円・50万円と比べると、額面の差に対する手取りの差はどちらも月約7.5万円で、増えた額面の4分の3が手元に残る帯です

内訳 — 月40万円から何がいくら引かれるか

※この表の試算年度: 所得税は令和8年分、保険料は令和8年度の計算前提(個人の住民税のうち給与・事業所得分は翌年度の見込み額)。

月額40万円の役員報酬の手取り(弊所試算・協会けんぽの等級で計算・金額はすべて1年あたり)
項目金額(年額)
額面(年額・月40万円×12か月の弊所試算の前提)4,800,000円
社会保険料の本人負担(標準報酬月額41万円で計算)698,148円
所得税(復興特別所得税を含む・弊所試算)84,700円
住民税(市区町村が決める税額の見込み)229,500円
天引きの合計(上の3行の合計・弊所試算)1,012,348円
手取り(年額・額面から天引きの合計を引いた弊所試算)3,787,652円

月あたりに直すと、手取りは約31.6万円です。社会保険料の本人負担が月58,179円、所得税と住民税が合わせて月約2.6万円という構成で、天引きの7割近くが社会保険料です。

住民税は会社が計算する税ではなく、前年の所得をもとに市区町村が決めた税額を、6月から翌年5月まで毎月の報酬から天引きするもの(特別徴収)です(地方税法321条の3・321条の5)。表の金額は、その計算を先回りして示した弊所試算の見込み額です。前年に給与や事業の所得があった方は、会社の天引きが始まるまで自分で納めることがあります。

社会保険料 — 標準報酬月額41万円の等級で、本人と会社がほぼ半分ずつ

月40万円の標準報酬月額は、健康保険・厚生年金とも41万円です(健康保険法40条・厚生年金保険法20条)。

この等級は、報酬月額が39.5万円以上42.5万円未満の帯に当たります(健康保険法40条・厚生年金保険法20条)。同じ帯の中では、額面が動いても保険料は変わりません。ただし、この報酬月額には役員報酬のほか、通勤手当・住宅手当などの手当や現物で支給されるものも含まれます。42.5万円未満に収める設計は、手当を足した報酬全体で見る必要があります。

標準報酬月額41万円に、健康保険9.85%・子ども・子育て支援金0.23%・厚生年金18.3%の料率を掛け、本人と会社で半分ずつ負担します。会社負担が月59,655円と本人負担の58,179円より少し多いのは、会社だけが納める子ども・子育て拠出金が厚生年金の標準報酬月額にかかるためです(子ども・子育て支援法69条・70条)。

標準報酬月額は、毎年7月1日の時点で4月から6月に受けた報酬の平均をもとに見直され、その年の9月から翌年8月まで使われます(健康保険法41条・厚生年金保険法21条)。ただし、6月1日から7月1日までに資格を取得した方と、7月から9月のいずれかの月から随時改定などで標準報酬月額が改定される方は、その年の7月の見直し(定時決定)の対象になりません(健康保険法41条・厚生年金保険法21条)。

30万円・50万円と並べる — 額面10万円の差と手取りの差

※この表の試算年度: 所得税は令和8年分、保険料は令和8年度の計算前提(個人の住民税のうち給与・事業所得分は翌年度の見込み額)。

月額30万〜50万円の手取りと会社負担(弊所試算・協会けんぽの等級で計算・金額はすべて1か月あたり・割合は額面に対する手取り)
額面(月額・弊所試算の前提)社会保険料の本人負担(月額)所得税+住民税(月額)手取り(月額)手取りの割合社会保険料の会社負担(月額)会社が用意する額(月額)
30万円42,570円16,467円240,963円80.3%43,650円343,650円
40万円58,179円26,183円315,638円78.9%59,655円459,655円
50万円70,950円38,550円390,500円78.1%72,750円572,750円

額面を10万円上げたときの手取りの増え方は、下の段でも上の段でも月約7.5万円とほぼ同じです。一方で会社が用意する額は月約11.3〜11.6万円ずつ増え、手取りの1.5倍のペースだと試算しています。

増えた額面の4分の3が手元に残り、残りが社会保険料と税金に回る計算です。手取りの割合が少しずつ下がるのは、報酬が上がるほど社会保険料の等級が上がり、所得税も高い税率の帯に入っていくためです。

弊所試算では、月40万円の課税所得は約166万円で、所得税は最も低い5%の帯に収まります。上の段では課税所得が195万円を超え、超えた部分に10%の税率がかかります(所得税法89条1項)。

35万円・45万円など間の金額は、役員報酬の手取り早見表に同じ条件で5万円刻みで並べてあります。候補が2つ以上あるときは、早見表で隣り合う行を見比べてみてください。

会社の側から見る — 用意する総額は年約551.6万円

弊所試算では、会社が用意するのは、額面480万円に会社負担の社会保険料約71.6万円を足した約551.6万円です。この報酬を出すには少なくとも同額以上の粗利が要り、会社に利益を残すならさらに上乗せが要ると見ています。

毎月同額で払う役員報酬(定期同額給与)は損金になるため(法人税法34条1項1号)、法人側の税金はその分減ります。ただし、定期同額給与でも不相当に高額な部分の金額は損金にならず、その分の法人税は減りません(法人税法34条2項)。役員報酬の改定は、原則として会計期間の開始から3か月以内に行い、改定の前後それぞれの期間では毎月同じ額を払います(法人税法施行令69条1項1号イ)。報酬を上げるか法人に利益を残すかは、法人に利益を残す場合との比較にまとめています。

月40万円という水準で見ておきたいこと

月40万円は、生活費をまかないながら会社にも利益を残す設計を考えるとき、最初の候補に挙がりやすい金額だと見ています。手取りだけでなく、次の点も一緒に見ておくと判断がぶれません。

表の税金は、給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除だけで計算しています。配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除、iDeCoや小規模企業共済の掛金控除がある方は、控除の要件と所得の額に応じて課税所得を減らせます(所得税法75条・76条・83条・84条)。

同じ年収480万円でも、月給を抑えて賞与(事前確定届出給与)に寄せると社会保険料の計算が変わります。仕組みと注意点は、毎月払いと賞与払いの比較にまとめています。

まとめ — 額面40万円は「手取り31.6万円・会社の負担552万円」の設計

役員報酬40万円は、社長の手取りが月約31.6万円、会社が用意する額が年約551.6万円という設計です。この水準が会社の利益と生活の両方に見合うでしょうか。

ご自身の年齢と数字で確かめるときは、手取りシミュレーションで月額を細かく動かしてみてください。手取りと会社負担が並んで出るので、会社に残る利益との釣り合いも同時に見られます。

※本記事の金額は、社長おひとり・40歳未満(介護保険なし)・所得控除は給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除のみ・協会けんぽ東京の令和8年度料率・令和8年分の税制での概算です。40〜64歳は介護保険料が加わり、手取りは少し減ります。月あたりの金額は年額を12か月で割った平均で、実際の振込額とは異なる場合があります。

この記事の内容は、あなたの数字でその場で試算できます。

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※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する税務上の助言ではありません。内容は執筆時点の法令等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。

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