役員報酬を月50万円にしたとき、手元にいくら残るのか。社会保険料と所得税・住民税の内訳、会社負担を足した総額、月40万円・60万円との違いを弊所の試算で整理しました。
役員報酬を月50万円にしたとき、手元にいくら残るのか。社会保険料と所得税・住民税の内訳、会社負担を足した総額、月40万円・60万円との違いを弊所の試算で整理しました。
この記事の要点
※この表の試算年度: 所得税は令和8年分、保険料は令和8年度の計算前提(個人の住民税のうち給与・事業所得分は翌年度の見込み額)。
| 項目 | 金額(年額) |
|---|---|
| 額面(年額) | 6,000,000円 |
| 社会保険料の本人負担 | 851,400円 |
| 所得税(復興特別所得税を含む) | 152,400円 |
| 住民税(市区町村が決める税額の見込み) | 310,300円 |
| 天引きの合計 | 1,314,100円 |
| 手取り(年額) | 4,685,900円 |
月あたりに直すと、手取りは約39.0万円です。社会保険料の本人負担が月約7.1万円、所得税と住民税が合わせて月約3.9万円という構成になります。
住民税は会社が計算する税ではなく、前年の所得をもとに市区町村が決めた税額を、6月から翌年5月まで毎月の報酬から天引きするものです。表の金額は、その計算を先回りして示した見込み額です。
月50万円は、協会けんぽの等級表で標準報酬月額50万円の等級に当たります(健康保険法40条・厚生年金保険法20条)。この標準報酬月額に、健康保険9.85%・子ども・子育て支援金0.23%・厚生年金18.3%の料率を掛け、本人と会社で半分ずつ負担します。
※この表の試算年度: 所得税は令和8年分、保険料は令和8年度の計算前提(個人の住民税のうち給与・事業所得分は翌年度の見込み額)。
| 額面(月額) | 社会保険料の本人負担(月額) | 所得税+住民税(月額) | 手取り(月額) | 手取りの割合 | 社会保険料の会社負担(月額) |
|---|---|---|---|---|---|
| 40万円 | 約5.7万円 | 約2.6万円 | 約31.7万円 | 79.2% | 約5.8万円 |
| 50万円 | 約7.1万円 | 約3.9万円 | 約39.0万円 | 78.1% | 約7.3万円 |
| 60万円 | 約8.5万円 | 約5.9万円 | 約45.6万円 | 75.9% | 約8.7万円 |
額面を1段(10万円)上げたときの手取りの増え方は、下の帯で約7.3万円、上の帯で約6.7万円です(社会保険料は標準報酬月額の等級で決まるため、増え方は等級の境目で前後します)。上げるほど、増えた額面のうち手元に残る割合は小さくなっていきます。
※表の社会保険料と所得税・住民税は、1年分を12か月で割った月あたりの平均です。
会社が用意するのは、額面600万円に会社負担の社会保険料約87.3万円を足した約687.3万円です。この報酬を出すには少なくとも同額以上の粗利が必要で、さらに会社に利益を残すなら上乗せが要ります。
役員報酬は損金になるため、法人側の税金はその分減ります。報酬を上げるか法人に利益を残すかは、社長個人の所得税率と法人税率の比較で決まる論点で、別の記事にまとめています。
表の税金は、給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除だけで計算しています。配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除、iDeCoや小規模企業共済の掛金控除がある方は、課税所得が減って手取りは表より増えます。
役員報酬50万円は、社長の手取りが月約39.0万円、会社が用意する額が年約687.3万円という設計です。この水準が会社の利益と生活の両方に見合うでしょうか。
下の手取りシミュレーションでは、月額を細かく動かしながら手取りと会社負担を並べて確かめられます。ご自身の年齢と数字で試してみてください。
※本記事の金額は、社長おひとり・40歳未満(介護保険なし)・所得控除は給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除のみ・協会けんぽ東京の令和8年度料率・令和8年分の税制での概算です。40〜64歳の金額は介護保険料1.62%を加えた同条件の概算です。
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