手取り月30万円にするには役員報酬はいくら必要か — 目標の手取りから逆算した早見表
「生活費として月30万円は手元に残したい」— そんな目標から役員報酬を決めたい方に向けて、手取り月20万〜50万円ごとに必要な額面と、会社が用意する総額を逆算しました。
この記事の要点
- 手取り月30万円には、額面で月379,000円の役員報酬が必要(40歳未満・東京都の概算)
- 会社負担の社会保険料まで含めると、会社が毎月用意する額は約43.4万円
- この表の目標の差を手取り10万円分に換算すると、必要な額面の増加は約13.0万〜15.8万円
表の社会保険料と所得税・住民税は、年額を12か月で割った月あたりの平均です。実際に毎月引かれる額は、住民税の納め方などにより多少前後します。 本記事の金額は、社長おひとり・40歳未満・給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除のみ・東京都の令和8年度料率・令和8年分の税制での概算です。介護保険の対象となる40〜64歳では介護保険料を含めます。年齢・加入資格がこの例と異なる場合は、同じ手取りに必要な額面を比べ直します。
逆算の考え方 — 手取りの割合は一定ではない
手取りは、額面から社会保険料の本人負担・所得税・住民税を引いた残りです。額面が大きいほど所得税の税率が上がるため、「手取り÷額面」の割合は等級の境目や税率・控除の段階で変わります。したがって、目標の手取りを0.8で割るような単純な逆算では、高い月額ほどずれが大きくなります。
逆算の早見表 — 手取り月20万〜50万円
※この表の試算年度: 所得税は令和8年分、保険料は令和8年度の計算前提(個人の住民税のうち給与・事業所得分は翌年度の見込み額)。
| 目標の手取り(月額) | 必要な額面(月額) | 社会保険料の本人負担(月額) | 所得税+住民税(月額) | 社会保険料の会社負担(月額) | 会社が用意する額(月額) |
|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 24.7万円 | 約3.4万円 | 約1.2万円 | 約3.5万円 | 約28.2万円 |
| 25万円 | 31.4万円 | 約4.5万円 | 約1.8万円 | 約4.7万円 | 約36.1万円 |
| 30万円 | 37.9万円 | 約5.4万円 | 約2.4万円 | 約5.5万円 | 約43.4万円 |
| 35万円 | 44.4万円 | 約6.2万円 | 約3.1万円 | 約6.4万円 | 約50.8万円 |
| 40万円 | 51.2万円 | 約7.1万円 | 約4.0万円 | 約7.3万円 | 約58.5万円 |
| 50万円 | 67万円 | 約9.4万円 | 約7.6万円 | 約9.6万円 | 約76.6万円 |
※社長おひとり・40歳未満・協会けんぽ東京、令和8年度料率・令和8年分税制。給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除を反映し、住民税はその所得に対応する翌年度の見込み額です。月額は年額を12で割った平均で実際の振込額とは異なる場合があります。
手取り月30万円なら、額面は月379,000円です。
そこから社会保険料の本人負担が月約5.4万円、所得税と住民税が月約2.4万円天引きされます。
会社が用意する額は、額面に会社負担の社会保険料を足した約43.4万円です。手取り30万円を渡すために、会社は毎月約13.4万円を社会保険料と税金として支払っている計算になります。
※表の社会保険料と所得税・住民税は、年額を12か月で割った月あたりの平均です。実際に毎月引かれる額は、住民税の納め方などにより多少前後します。
「手取り30万円=額面30万円」ではないことを実感する
目標と同じ額面30万円を入れた場合の手取りは、月あたり約24.1万円です。この例では月約5.9万円の生活費不足となります。額面と手取りの混同は、会社から借りる形(役員貸付金)が生まれる原因になります。
会社の利益との兼ね合い — 通常の改定時期と例外を確認する
定期同額給与は、各支給時期の額が同額であることが基本です。通常の改定は会計期間開始日から3か月を経過する日までに行い、改定前・改定後の各期間では同額を支給します。申告期限延長指定等の特殊な月数、臨時改定事由、業績悪化による減額は別に確認します(法人税法施行令69条1項)。役員報酬を変える時期の記事で条件を確認できます。会社が用意する額が利益の見込みを超えていないか、逆算した額面を会社の損益と突き合わせてから決めます。
利益に余裕がなければ、手取りの目標を下げるか、賞与(事前確定届出給与)との組み合わせを検討する形になります。低すぎる報酬にも別の問題があるので、下げる側の限度も知っておくと判断しやすくなります。
まとめ — 目標の手取りを入れれば、必要な額面が出ます
必要な額面は、目標の手取りと年齢・地域で変わります。手取りシミュレーションには「目標の手取り→必要な月額」の逆算機能があり、1,000円単位の答えがその場で出ます。まずはご自身の生活費から、目標の手取りを入れてみてください。
※本記事の金額は、社長おひとり・40歳未満・給与所得は給与所得控除後に計算し、所得控除は社会保険料控除・基礎控除のみ・東京都の令和8年度料率・令和8年分の税制での概算です。介護保険の対象となる40〜64歳では介護保険料を含めます。年齢・加入資格がこの例と異なる場合は、同じ手取りに必要な額面を比べ直します。
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