法人の決算準備は何から始めるか — 無料の決算準備診断で、残る作業と用意する資料を1枚の表にする使い方
決算月が近づいたのに、何が終わっていて何が残っているのか分からない。そんな小さな会社の社長に向けて、弊所のサイトに置いている無料の法人の決算準備診断(登録不要)の使い方と、結果の読み方を説明します。
この記事の要点
- 弊所の診断の13の質問は「会社と決算」「帳簿の入力」「資料と残高・消費税」「依頼したいこと」の4つの組。分からない質問は「分からない・未確認」を選んで進められる
- 弊所の診断の結果は「入力・準備が残る」「確認が要る」「済んでいる・該当なし」の3つに分かれ、最初に手を付ける作業と用意する資料が付く
- 法人税の申告と納付の期限は、原則として決算日の翌日から2か月以内。弊所の診断の結果は印刷やコピーができ、そのまま相談に使える
この診断で分かること — 残る作業と用意する資料が、1枚の表になる
弊所の法人の決算準備診断は、13の質問に答えると、決算までに残る作業と用意する資料を1枚の表にまとめる道具です。弊所の診断は会計ソフトへの接続も帳簿のアップロードも要らず、回答はそのページの中だけで扱います。
| 質問の組 | 聞くこと |
|---|---|
| 会社と決算(弊所の診断の3問) | 会社の形、使っている会計ソフト、何年何月の決算か |
| 帳簿の入力(弊所の診断の5問) | 日々の取引、未入金の売上と未払いの仕入や経費、役員報酬と給与、固定資産と減価償却、期末の在庫を、どこまで入力したか |
| 資料と残高・消費税(弊所の診断の3問) | 記帳と決算に使う資料がそろっているか、決算日の現金・預金の残高を帳簿と比べたか、今期の消費税をどの方式で申告する予定か |
| 依頼したいこと(弊所の診断の2問) | いま顧問の税理士がいるか、税理士にどこまで任せたいか |
弊所の診断の結果は、回答を「入力・準備が残る項目」「状況・判断の確認が必要な項目」「回答上、済んでいる・該当なし」の3つに分けて並べます。弊所の診断では、残る項目に進め方と用意する資料が付き、その中から最初に手を付ける項目が「まずはここから」として出ます。
使い方 — 答える・読む・相談に使う、の3つの手順
弊所の決算準備診断の3ステップ
13の質問に答える
1問ずつ選んで進みます。分からない質問は「分からない・未確認」を選ぶと、確認が要る項目として結果に出ます
結果を読む
「まずはここから」の項目から順に、進め方と用意する資料を確かめます
印刷・コピーして使う
結果は印刷やコピーができ、「この状態から相談する」を押すと、回答と確認事項の要約が問い合わせのフォームへ引き継がれます(送信前に編集できます)
弊所の診断の所要時間は約3分です。個人事業主の方が「会社の形」で個人事業主を選ぶと、弊所の診断は個人事業主向けの診断へ案内します。
結果の読み方 — 回答の例で見ると
弊所の診断のページには、2027年3月期の決算をfreee会計で進めている会社の回答の例と、その結果を載せています。弊所の見本の結果は、残る作業が5項目、確認が要る項目が1項目、済んでいる項目が2項目でした。
弊所の診断は、資料の準備が残っていれば、それを最初の項目に出します。弊所の診断は消費税の方式を判定せず、どの回答でも「確認が要る」に出して、過去の申告書・届出書やインボイスの登録の資料で確かめる進め方を示します。ご自身の会社は、どの項目から始めることになりそうでしょうか。
「済んでいる」を選ぶ前に — 迷いやすい3つの質問
弊所の診断の質問「未入金の売上・未払いの仕入や経費」
原則
売上は、代金を受け取った日ではなく、商品を引き渡した日やサービスを提供した日の属する事業年度の益金になります。
法人税法22条の2第1項
ただし
一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従い、契約の効力が生ずる日など引渡しの日に近接する日の事業年度の確定した決算で収益として経理したときは、その事業年度の益金になります。
法人税法22条の2第2項
販売費や一般管理費などの費用は、償却費を除き、原則として決算日までに債務が確定したものがその期の損金になります(法人税法22条3項2号)。入出金した分だけを入力しているなら、弊所の診断では「一部入力済み・未入力が残る」か「これから整理・入力する」を選びます。
弊所の診断の質問「役員報酬・給与の記帳」
原則
給与を支払うときに天引きした源泉所得税は、天引きした月の翌月10日までに納めます。
所得税法183条1項
ただし
給与の支払を受ける人が常時10人未満の事務所は、税務署長の承認を受ければ、1月から6月の分を7月10日まで、7月から12月の分を翌年1月20日までにまとめて納められます。
所得税法216条
弊所の診断では、手取り額だけを入力している場合や、納付の記帳が残る場合は「一部入力済み・未入力が残る」を選びます。
弊所の診断の質問「固定資産と減価償却・期末の在庫」
法人の減価償却費は、その事業年度に償却費として損金経理をした金額のうち、償却限度額に達するまでの金額が損金になります(法人税法31条1項)。弊所の診断で「増減は入力済み、償却は未入力」を選ぶと、今期の減価償却の入力を誰が行うかを整理する進め方が出ます。
期末の在庫の価額は、その期の売上原価を計算する基礎になります(法人税法29条1項)。弊所の診断では、数量と金額を集計した段階と、帳簿に入力した段階を分けて答えます。
診断が判定しない項目も、結果の下に並ぶ
弊所の診断の結果の下には、質問では判定していない「決算で見落としやすい項目」も並びます。弊所の診断はこの項目を件数に含めず、該当する取引や手元の資料を相談のときに伝えてもらうための一覧にしています。
弊所の一覧の9つの項目は、借入金・役員との貸し借り、内容が分からない仮払金・仮受金、前払・前受と翌期分、未処理明細・重複・開始残高、前期と設立時の資料から始まります。弊所の一覧の残りは、補助金・保険・資産の売却などいつもと異なる取引、役員報酬の改定と役員賞与、電子取引データと帳簿の保存、申告・納付の期限と担当です。
期限から逆算する — 申告と納付は決算日の翌日から2か月
原則
法人税の確定申告書は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、確定した決算に基づいて提出し(法人税法74条1項)、納める税額があればその期限までに納付します。
法人税法77条
ただし
定款の定めなどにより決算日の翌日から2か月以内に定時総会が招集されない常況にあると認められる法人は、申請に基づいて申告書の提出期限が1か月延長されます。
法人税法75条の2第1項
延長を受けるには、最初に延長を受けたい事業年度の終了の日(決算日)までに申請書を出しておく必要があり、承認を受けるとその後の事業年度も延長されます(法人税法75条の2第1項・第3項)。
3月決算の会社の例
- 3月31日決算日
- 4月弊所の診断で残る作業を出し、資料をそろえて残高を照合する
- 5月末申告書の提出と納付
期限の間際に気づいたときの進め方は、このサイトの「法人の決算・申告が期限に間に合わないとき」の記事でまとめています。
まとめ — 残る作業が見えたら、今の状態から相談する
決算の準備は、何が残っているかを分けるところから始まります。何から手を付けるか迷ったら、13の質問に約3分で答えるだけの、弊所の法人の決算準備診断ツールをお勧めします。まずは診断で、ご自身の会社に残っている作業を出してみてください。
弊所は記帳・決算・申告を継続して見ていく顧問契約を基本にしていて、記帳から任せたい方も、記帳はご自身で続けたい方も、今の状態から依頼の範囲を相談できます。
出典
- 国税庁 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告
- 国税庁タックスアンサー No.5387 販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定
- 国税庁タックスアンサー No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例
- 国税庁 質疑応答事例 給与等の支払を受ける者が常時10人未満であるかどうかの判定
- e-Gov法令検索 法人税法22条(各事業年度の所得の金額の計算の通則)・22条の2(収益の額)・29条(棚卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法)・31条(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)・74条(確定申告)・75条の2(確定申告書の提出期限の延長の特例)・77条(確定申告による納付)
- e-Gov法令検索 所得税法183条(源泉徴収義務)・216条(源泉徴収に係る所得税の納期の特例)
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