e-Taxで確定申告するやり方 — マイナンバーカードとスマホで個人事業主が申告する手順
「決算書はできた。あとはスマホから送るだけ、のはずが、カードの読み取りで止まった」— そんなつまずきは、申告期限の直前に起きがちです。個人事業主がマイナンバーカードとスマホでe-Taxの確定申告を終えるまでの手順を、準備・作成・送信・納付の順に整理します。
この記事の要点
- 用意するものは、マイナンバーカード、カードの読み取りに対応したスマホ(マイナアプリ入り)、カードを受け取るときに決めた2つのパスワード(利用者証明用は数字4桁・署名用は英数字6〜16文字)
- ID・パスワード方式は令和7年10月1日から新規発行が止まり、令和9年分の確定申告からは使えなくなる予定。初めての方はマイナンバーカード方式で始める
- 期限内にe-Taxで申告書と決算書を送ると、青色申告特別控除は65万円(紙の申告だけなら55万円)。令和8年分の期限は2027年3月15日(月)で、消費税の申告は3月31日(水)まで
全体の流れ — 準備・作成・送信・納付の4段
所得税の確定申告は、その年の翌年2月16日から3月15日までの間に申告書を税務署へ出す手続です(所得税法120条)。令和8年分なら、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。スマホで送る場合も、この期限は変わりません。
e-Taxで送るまでの流れは、次の5段です。
スマホでe-Taxの確定申告を終えるまで
準備
マイナンバーカードとマイナアプリ入りのスマホ、2つのパスワードをそろえ、カードと電子証明書の有効期限を確かめる
連携の設定
マイナポータルの利用者登録と、e-Taxとの連携を済ませる(初回だけ)
作成
国税庁の確定申告書等作成コーナーで、青色申告決算書(白色なら収支内訳書)と申告書を作る
送信
カードの読み取りか生体認証で本人確認し、署名用のパスワードで電子署名して送る
納付
所得税は3月15日まで、消費税は3月31日までに、振替納税やスマホアプリ納付などで納める
準備 — カード・対応スマホ・2つのパスワード
スマホからe-Taxで送るには、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホと、送信に使う「マイナアプリ」が要ります。2026年8月25日から、マイナポータルアプリにデジタル認証アプリの機能が統合され、マイナアプリになりました。古いアプリのままの方はストアで更新し、利用者登録を済ませてから作成コーナーを使います。
パスワードは、カードを受け取るときに自分で決めた3種類のうち、主に2つを使います。
| 種類 | 形 | 使う場面 | 連続で間違えると |
|---|---|---|---|
| 利用者証明用電子証明書 | 数字4桁 | e-Taxへのログイン | 3回でロック |
| 署名用電子証明書 | 英数字6〜16文字 | 申告データへの電子署名 | 5回でロック |
| 券面事項入力補助用 | 数字4桁 | 氏名・住所などの読み取り | 3回でロック |
マイナンバーカード方式では、利用者証明用の4桁でログインでき、16桁の利用者識別番号とパスワードの入力は要りません。利用者識別番号をまだ持っていない方は、手続の途中の「利用者情報の登録」画面で登録できます。
お手元の電子証明書の期限がいつまでか、すぐに答えられるでしょうか。有効期限には2つあります。カード本体は18歳以上で発行なら発行から10回目の誕生日まで、18歳未満で発行なら5回目の誕生日までで、電子証明書は年齢に関係なく発行から5回目の誕生日までです。ただし、2022年(令和4年)3月31日までに交付申請した20歳未満の方のカードは、発行から5回目の誕生日までです。
電子証明書が切れていると、更新するまで送信できないので、2〜3月に誕生日が来る方はとくに早めに確かめてください。
カードをかざさずに済む「スマホのマイナンバーカード」
スマホ用電子証明書を入れたスマホなら、申告のたびにカードを読み取らなくても、申告書の作成からe-Tax送信まで進められます。Androidはすでに利用でき、iPhoneも令和7年9月16日からe-Taxのログインと電子署名に対応し、作成コーナーでは令和8年1月から使えるようになりました。
利用者証明用の数字4桁は、機種によっては顔や指紋などの生体認証で代えられます。設定はマイナアプリのメニューから行い、登録には実物のマイナンバーカードを使います。申告のたびにカードをスマホで読み取る手間がなくなるのが利点です。
作成 — 決算書から申告書へ、控除はマイナポータル連携で
作成コーナーのスマホ版で作れるのは、所得税と消費税の申告書です(贈与税の申告はパソコン版)。青色申告決算書・収支内訳書も作成コーナーで作り、申告書と一緒にe-Taxで送れます。会計ソフトで帳簿をつけている方は、ソフトが出した決算書の数字を見ながら入れていきましょう。
控除の証明書は、マイナポータル連携でまとめて取り込めます。対象は、医療費、ふるさと納税などの寄附金、社会保険料、地震保険料、iDeCo、住宅ローン関係などの控除関係と、給与所得や公的年金等の源泉徴収票です。社会保険料やiDeCoの証明書を取り込めるので、個人事業主でも入力の手間は減ります。
連携を使うには、マイナポータルの利用者登録などの事前準備が要ります。令和7年分の確定申告では、約408万人がこの連携を使いました。証明書の発行元が連携に対応しているかは、国税庁の一覧で確かめられます。
送信と還付 — 送ったあとに確かめること
入力が終わったら、本人確認と電子署名をして送信します。送信が済んだら、受付の結果と申告書の控え(PDF)を保存しておきましょう。
還付の申告なら、e-Taxで送ってから2週間程度たった日から、還付金の処理状況をe-Taxで確かめられます。書面で出したときの目安は1か月程度なので、ここでも電子の方が先に動きます。
納付 — 申告と納税は別の手続
所得税は、申告書に書いた税額を第三期(翌年2月16日から3月15日まで)に国に納めます(所得税法128条)。消費税の課税事業者なら、個人事業者の消費税の申告期限は翌年3月31日です(租税特別措置法86条の4)。納付の方法には、次のようなものがあります。
| 方法 | 概要 |
|---|---|
| 振替納税 | 事前に登録した口座から、振替日に自動で引き落とし |
| ダイレクト納付 | e-Taxから口座を指定して納付(納付書は不要) |
| インターネットバンキング | 金融機関のネットバンキングやATMから納付 |
| クレジットカード納付 | 専用の納付サイトから納付 |
| スマホアプリ納付 | 専用の納付サイトやe-Taxから、スマホ決済アプリで納付(納付税額が30万円以下の方だけ) |
| コンビニ納付 | 作成したQRコードやバーコードをコンビニで読み取って納付 |
つまずきやすい点 — 期限切れ・ロック・期限後申告
※優良な電子帳簿の保存で65万円を受けるときは、一定の事項を書いた届出書を、その年分の確定申告期限までに出す必要があります。すでに電子帳簿保存の要件を満たして65万円を受けていた方で、令和4年分以後も引き続き要件を満たしている方は、届出書を出す必要はありません。
令和8年分から始める方は、まずマイナアプリの更新とパスワードの確認から始めておきましょう。帳簿の付け方や控除の条件で迷うときは、下の関連の記事もあわせてご覧ください。
出典
- 国税庁「令和8年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でもっと便利に!」(マイナアプリ・連携の対象)
- 国税庁「スマホとマイナンバーカードでe-Tax!」(令和7年分 確定申告特集・必要なもの・パスワード・有効期限)
- 国税庁 e-Tax「マイナンバーカード方式について」
- 国税庁 e-Tax よくある質問「ID・パスワード方式」(新規発行の停止・令和9年分から利用できなくなる予定)
- 国税庁 e-Tax「「iPhoneのマイナンバーカード」に対応しました」(令和7年9月16日)
- 国税庁 e-Tax「ご利用の流れ」(スマホの作成コーナーで扱える手続)
- 国税庁 e-Tax「還付金処理状況確認」
- 国税庁「国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)」
- e-Gov法令検索「所得税法」120条(確定所得申告)・128条(確定申告による納付)
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」25条の2(青色申告特別控除)・86条の4(個人事業者の消費税の確定申告期限の特例)
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」令和8年改正法(租税特別措置法関係)附則33条(青色申告特別控除に関する経過措置・令和9年1月1日施行の版)
- 国税庁タックスアンサー「青色申告特別控除」(No.2072)
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