確定申告で納める所得税の払い方 — 振替納税の申込みと引落し日、ダイレクト納付・クレジットカード・スマホアプリ・コンビニの手数料と上限、半分を5月末まで延ばす延納、遅れたときの延滞税
「申告書は出したけれど、税金はいつ、どうやって払えばいいのだろう。納付書が届くのを待てばいいのだろうか」— 初めて所得税を納める年には、こんな疑問が出ます。申告書を出しても税務署から納付書や納税通知は届かず、納期限は申告期限と同じ日で、払い方は自分で選んで納めます。この記事では、7つの払い方の手数料と上限、振替納税の申込みと引落し日、半分を5月末まで延ばす延納、遅れたときの延滞税を整理します。
この記事の要点
- 所得税の納期限は申告期限と同じで、令和8年分は2027年3月15日(月)です。申告書を出しても納付書や納税通知は届かないので、払い方を自分で選んで納めます
- 払い方は振替納税・ダイレクト納付・インターネットバンキング・クレジットカード・スマホアプリ・コンビニ(QRコード)・窓口の7つ。決済手数料がかかるのはクレジットカードだけ(ネットバンキングやATMは金融機関の利用料がかかる場合あり)で、スマホアプリとコンビニは30万円以下に限られます
- 納期限までに税額の2分の1以上を納め、延納の届出をすれば、残りは5月31日まで延ばせます。納期限に遅れると翌日から延滞税がかかり、令和8年の割合は2か月まで年2.8%、それ以後は年9.1%です
納期限は申告期限と同じ — 納付書も通知も届かない
確定申告書を出した人は、申告書に書いた納める税金を第三期(翌年2月16日から3月15日まで)に国に納付します(所得税法128条)。令和8年分(2026年分)なら、2027年3月15日(月)が申告の期限であり、納期限です。申告書を出しても、税務署から納付書の送付や納税通知は届きません。納付書を使う払い方を選ぶなら、税務署か金融機関に用意されている納付書を自分で使います。
| 日付 | 何があるか |
|---|---|
| 2027年3月15日(月) | 申告の期限・納期限。振替納税の申込みと延納の届出もこの日まで |
| 2027年4月23日(金) | 振替納税の引落し日(確定申告分) |
| 2027年5月31日(月) | 延納した残りの納期限。振替納税なら同じ日に引落し |
※個人事業者の消費税は、申告と納付の期限が2027年3月31日(水)で、振替納税の引落し日は4月30日(金)です。
振替納税 — 申込みは納期限まで、引落しは4月下旬
振替納税は、事前に届け出た本人名義の預貯金口座から、国税庁が指定する振替日に自動で引き落とす払い方です。手数料はかからず、金額の上限もありません。使えるのは申告期限までに提出した確定申告分と延納分、予定納税分で、期限後申告や修正申告の税額には使えません。
振替日に引き落とされれば、その納付は納期限にされたものとみなされ、延滞税はかかりません(国税通則法34条の2第2項)。申込みがまだなら、申告書と一緒に依頼書を出してみてください。
振替納税を始める
依頼書を出す
「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を、納期限までにe-Taxか書面(税務署か金融機関)で提出する。書面なら通帳の届出印を押す
申告書を期限内に出す
振替納税は申告期限までに申告書を提出した場合に限り使える
引落し日の前日までに残高を確かめる
令和8年分の振替日は2027年4月23日(金)。ほかの引落しと重ならないかも見る
キャッシュレスとコンビニ・窓口 — 手数料と上限で選ぶ
振替納税のほかに6つの払い方があります。クレジットカード・スマホアプリ・コンビニ納付は、国が指定した納付受託者に納付を委託する仕組みで、委託した日に納付があったものとみなされます(国税通則法34条の3第2項)。カードの引落しが後日でも、納期限の日までに手続を終えていれば延滞税はかかりません。
| 払い方 | 事前の手続 | 手数料 | 上限 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| 振替納税 | 依頼書を納期限までに提出 | なし | なし | 毎年納める人。引落しは4月下旬 |
| ダイレクト納付 | e-Taxで利用届出書を出し、登録完了通知を待つ | なし | 金融機関による(国税庁の一覧で確認) | e-Taxで申告する人。即時か期日を指定して引落し |
| インターネットバンキング等 | e-Taxの利用開始手続 | 振替の手数料はなし(金融機関の利用料は別) | なし | ネットバンキングやATMを使い慣れた人 |
| クレジットカード | なし(専用サイトから) | 1万円まで99円、以後1万円ごとに99円を加算(税込) | 1回1,000万円未満 | カードのポイントを取りたい人。領収証書は出ない |
| スマホアプリ | e-Taxの利用開始手続 | なし | 30万円以下 | 残高払いのアプリを使う人。事前のチャージが要る |
| コンビニ(QRコード) | 国税庁のサイトでQRコードを作る | なし | 30万円以下 | 現金で払いたい人。ローソン・ナチュラルローソン・ミニストップ・ファミリーマートで |
| 金融機関・税務署の窓口 | なし | なし | なし | 納付書で現金納付。領収証書が要る人 |
ダイレクト納付は、e-Taxで申告データを送ったあと、届け出た口座から即時か期日を指定して引き落とす払い方です。ただし、農業協同組合・漁業協同組合と、一部を除くインターネット専業銀行の口座では、現在はダイレクト納付を使えません。利用届出書を出しただけでは納付できず、メッセージボックスに「ダイレクト納付登録完了通知」が届いてから使えます。
期日を指定できるのは納期限までで、納期限の当日に申告データを送った場合は指定できません。クレジットカード納付は、手続が完了すると取り消せず、領収証書も出ません。
コンビニ納付には、自分で作ったQRコードを持ち込む方法のほかに、税務署が発行するバーコード付きの納付書を使う方法もあります。どちらも30万円以下の現金払いで、クレジットカードや電子マネーは使えません。
税額5万円をクレジットカードで払うと、決済手数料は495円です。同じ5万円でもスマホアプリ納付かコンビニ納付なら手数料はかかりません。手数料を払ってでもカードにするなら、付くポイントと手数料を比べてから選んでみてください。
延納 — 半分以上を納めれば、残りは5月31日まで
資金繰りの都合で3月15日までに全額を払えないときは、延納が使えます。納期限までに税額の2分の1以上を納め、申告書第一表の「延納の届出」欄に延納する額と期限までに納める額を書いて出せば、残りの納期限がその年の5月31日まで延びます(所得税法131条1項・2項)。税務署の許可は要らず、届出と半分以上の納付で使えます。
原則
確定申告で納める所得税は、3月15日までに全額を納めます。
所得税法128条
ただし
2分の1以上を納期限までに納め、延納届出書を出せば、残りは5月31日まで延ばせます。
所得税法131条1項・2項
延納した額には利子税がかかり、令和8年中の割合は年1.3%です。利子税の割合は、年7.3%と利子税特例基準割合のうち低い方です。
所得税法131条3項・租税特別措置法93条1項
遅れたとき — 延滞税は納期限の翌日から日割り
納期限までに納めないと、納期限の翌日から納めた日までの日数に応じて延滞税がかかります(国税通則法60条1項・2項)。割合は、納期限の翌日から2か月までは年7.3%と「延滞税特例基準割合+1%」の低い方、それを過ぎると年14.6%と「延滞税特例基準割合+7.3%」の低い方です(租税特別措置法94条1項)。令和8年中の割合は、2か月までが年2.8%、それ以後が年9.1%です。延滞税は本税だけにかかり、加算税にはかかりません。
払い方は、毎年納める人なら振替納税、e-Taxで申告する人ならダイレクト納付が、手間も手数料も少なく済みます。申告書を出したあとに届く住民税・事業税・国民健康保険の通知と予定納税は、このサイトの確定申告のあとに届く税金の記事に書きました。申告そのものを頼む場合の進め方と料金は、このサイトの確定申告のページで確かめてみてください。
※日付は令和8年分(2026年分)の所得税を2027年に納める場合で、国税庁の「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」によります。延滞税・利子税の割合は令和8年中のもので、令和9年の割合は令和8年11月30日までに財務大臣が告示する平均貸付割合で決まります。
出典
- 国税庁 主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日 (令和8年分は納期限2027年3月15日・振替日4月23日・延納5月31日)
- 国税庁 確定申告の手引き 納付の方法 (7つの納付手続・納付書や納税通知は届かない)
- 国税庁 確定申告の手引き 手順5 延納の届出 (第一表の延納の届出欄・延納届出額の計算)
- 国税庁 振替納税の手続 (本人名義の口座・期限内申告分と延納分・手数料不要・引落しできなければ法定納期限の翌日から延滞税)
- e-Tax ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)による納税手続 (即時・期日指定・手数料なし)
- 国税庁 クレジットカード納付の手続 (決済手数料・1,000万円未満・取消不可)
- 国税庁 スマホアプリ納付の手続 (30万円以下・残高払い・手数料なし)
- 国税庁 コンビニ納付(QRコード) (30万円以下・手数料不要・利用できる店舗)
- 国税庁 延滞税の割合 (令和8年は2.8%・9.1%、利子税特例基準割合は1.3%)
- 国税庁タックスアンサー No.9201 振替納税のお勧め
- 国税庁タックスアンサー No.9205 延滞税について
- 国税庁タックスアンサー No.9209 コンビニ納付(バーコード付納付書)
- e-Gov法令検索 所得税法128条(確定申告による納付)・131条(確定申告税額の延納)
- e-Gov法令検索 国税通則法34条の2(口座振替納付に係る通知等)・34条の3(納付受託者に対する納付の委託)・60条(延滞税)・119条(国税の確定金額の端数計算等)
- e-Gov法令検索 租税特別措置法93条(利子税の割合の特例)・94条(延滞税の割合の特例)
この記事の内容、私の場合は? — 普段お使いの AI に相談
押すと、この記事の要点が質問文になって、選んだ AI に渡ります。
Gemini など、ほかの AI に貼り付けて使えます
AI によってはそのまま回答が始まります。回答は各 AI サービスによるもので、当事務所の見解ではありません。
※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する税務上の助言ではありません。内容は執筆時点の法令等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。