確定申告書の控えに収受印が押されない — 令和7年1月からの取扱いと、融資・保育園・給付金で「提出した証明」が要るときの代わりの書類 (受信通知・申告書等情報取得サービス・納税証明書)
「融資の申込みで、税務署の受付印がある確定申告書の控えを出すように言われた。でも手元の控えには何も押されていない」— そんな戸惑いの声も少なくありません。税務署は令和7年1月から、書面で出した申告書・届出書の控えに収受日付印を押していません。この記事では、何が変わったのかと、提出した証明が要るときに代わりになる書類を、費用と日数つきで整理します。
この記事の要点
- 令和7年1月以降、税務署は書面で出した申告書・届出書の控えに収受日付印を押しません。正本だけを提出し、控えは自分で作って提出日を記録します
- 提出した事実と日付は、e-Taxで出した人は受信通知で、書面で出した人は申告書等情報取得サービス(無料・直近3年分・マイナンバーカードが要る)のPDFで示せます
- 所得の証明だけなら納税証明書(その2)が使えますが、古い年分は証明されません(国税通則法123条1項・国税通則法施行令41条1項・2項3号)。国税庁は金融機関や補助金の窓口に、収受印のある控えを求めないよう依頼しています
何が変わったか — 控えは自分で作り、提出日も自分で記録する
令和7年1月から、税務署・国税局は申告書等の控えに収受日付印を押さなくなりました。対象は所得税の確定申告書だけでなく、開業届や青色申告承認申請書、消費税の届出書など、税務署に出す全ての文書です。書面で出すときは正本(提出用)だけを提出し、控えが必要なら自分で写しを作って持ち、提出した日付も自分で記録しておくことになりました。
当分の間は、窓口で希望すれば、収受した日付と税務署名を記載したリーフレットがもらえます。郵送で出す人も、切手を貼った返信用封筒を同封すれば、同じリーフレットが返送されます。ただし、これは控えそのものに押される印ではなく、「この日に受け付けた」という案内書です。提出の証明としてこれで足りるかは、出す先に確かめておきましょう。
提出した証明が要る場面と、代わりになる書類
収受印のある控えを求められてきたのは、融資やリースの審査、保育園の入園申込み、補助金・給付金の申請などです。国税庁は、金融機関や補助金・助成金を担当する行政機関に、令和7年1月以降は収受日付印のある控えを求めないよう徹底を依頼しています。それでも出す側は、「提出した事実と日付」か「申告した所得」を別の形で示せるようにしておく必要があります。どちらを求められているかで、使う書類が変わります。
| 方法 | 分かること | 費用・日数 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| e-Taxの受信通知 | 提出した人の氏名・受付番号・受付日時。e-Taxで提出した分だけ | 無料。送信が完了するとメッセージボックスに格納される | 提出した事実と日付を示すとき |
| 申告書等情報取得サービス | 所得税の確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書のPDF。書面で出した分も対象 | 無料。申請から格納まで数日 | 直近3年分の申告書そのものが要るとき |
| 納税証明書(その2) | 申告した所得金額。提出日は分からない | 1税目1年度1枚400円、オンライン請求は370円 | 所得の証明だけでよいとき |
| 保有個人情報の開示請求 | 税務署が持つ申告書・届出書の写し | 1件300円(オンライン200円)。写しの交付は1か月程度 | 3年より前の分や、届出書の写しが要るとき |
| 申告書等閲覧サービス | 過去に出した申告書・届出書の内容を税務署の窓口で見る | 無料。窓口で申請 | 次の申告書を作るために内容を確かめるとき。金融機関などへの回答には使えない |
提出した日付を示す必要があるなら、受信通知か申告書等情報取得サービスのPDFです。所得金額を示せば足りるなら、納税証明書(その2)が確実です。納税証明書は税務署長が交付する公の証明書で、納付すべき税額や未納の税額のほか、申告した総所得金額や事業所得の金額も証明の対象です(国税通則法123条1項・国税通則法施行令41条1項)。ただし、所得金額を証明できるのは、法定納期限が請求する日の3年前の日を含む会計年度以後の年分に限られます(国税通則法施行令41条1項・2項3号)。
申告書等情報取得サービスの使い方 — 無料だが、申告したばかりの年分は5月1日から
申告書等情報取得サービスでPDFを取る
用意する
マイナンバーカードと、カードを読み取るスマホかICカードリーダー
申請する
パソコンかスマホからe-Taxソフト(WEB版)にログインし、閲覧申請データを作って送信する
受け取る
数日後にメッセージボックスにPDFが格納される。格納から180日以内にダウンロードして保存する
5月1日より前に直近の年分の申告書が要るときは、このサービスでは間に合いません。書面で出した人は提出前に取った控えと日付入りのリーフレットで、e-Taxで出した人は受信通知で示すことになります。融資の予定があるなら、申告のときから「何で証明するか」を決めておきましょう。
e-Taxで出していれば、受信通知がそのまま証明になる
e-Taxで申告書や届出書を送信すると、メッセージボックスに受信通知が格納されます。受信通知には提出した人の氏名、受付番号、受付日時が記載されていて、提出した事実と日付の証明になります。受信通知から申告書等のPDFを取り出すことも、受信通知をもとに電子申請等証明書の交付を請求することもできます。個人が受信通知の内容を確認するにはマイナンバーカードなどの電子証明書が要るので、利用者識別番号とパスワードだけで済ませず、カードで入るようにしてください。
これまで書面で出してきた方も、次の申告からe-Taxに切り替えると、収受印の代わりを探す手間がなくなります。手順は、このサイトのe-Taxで確定申告するやり方の記事に書きました。
届出書の控えも同じ — 開業届・青色申告承認申請書は写しと提出日を残す
収受日付印が押されなくなったのは、確定申告書だけではありません。開業届、青色申告承認申請書、消費税の課税事業者選択届出書や簡易課税制度選択届出書など、税務署に出す届出書・申請書の控えも同じです。届出書は申告書等情報取得サービスの対象に入っていないので、後から提出した証明が要るなら、e-Taxで出して受信通知を残すか、書面なら提出前に写しを取って提出日と税務署名を記録しておきます。税務署に出した届出書の内容は保有個人情報の開示請求で確かめられ、申告書等閲覧サービスでも、申告書等を作るために過去の内容を確かめる必要があると認められれば見られます。
青色申告の承認申請のように期限のある届出は、出した日の記録を必ず残しておきましょう。期限内に出したことを示す手段を残す意味でも、届出書はe-Taxで出すのが安全です。e-Taxで送った届出書は、受信通知の一覧から送信日とともに確認できます。
申告をe-Taxで済ませ、受信通知と申告書のPDFを毎年決まった場所に残しておけば、融資や給付金の申請のたびに慌てずに済みます。弊所に申告を頼んだ場合の進め方と料金は、このサイトの確定申告のページで確かめてみてください。申告の準備から始める方は、個人事業主の確定申告の準備チェックの記事もどうぞ。
※日付は、令和8年分(2026年分)の申告を2027年に行う場合の例です。手数料・日数は国税庁とe-Taxの案内ページの2026年10月時点の記載によります。
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