ささき税理士公認会計士事務所 個人事業主・マイクロ法人専門 | オンライン対応
無料相談
おすすめ料金も記事も試算の結果も、普段お使いの AI (ChatGPT など) にそのまま相談できます料金について AI に相談シミュレーション結果を AI に相談

基礎控除の引き上げで役員報酬の手取りはどう変わる — 令和8年分は最大104万円に

更新: コラム

所得税の基礎控除は、令和7年分の改正で段階制になったばかりですが、令和8年度の改正で令和8年分からさらに引き上げられました。この記事では、新しい控除額の表と、役員報酬の手取り・設計への影響を整理します(2026年9月8日に令和8年度改正の内容へ書き直しました)。

この記事の要点

  • 基礎控除は令和8年分から本則62万円になり、合計所得489万円以下なら42万円の上乗せで最大104万円(令和7年分の最大95万円からさらに増えた)
  • 給与所得控除の最低額も74万円になり、給与だけなら年収178万円まで所得税がかからない。報酬月20万円の一人社長なら所得税が年約8,000円軽くなる計算(弊所試算)
  • 住民税の基礎控除は43万円のまま(給与所得控除の引き上げは住民税にも及ぶ)。上乗せは令和9年分まで、令和10年分からは合計所得132万円以下だけ37万円の上乗せに縮む

何が変わったか — 令和7年分の段階制から、令和8年分は「62万円+上乗せ」に

改正前(令和6年分以前)の基礎控除は一律48万円でした。令和7年分の改正で所得に応じた段階制(最大95万円)になり(所得税法86条・租税特別措置法41条の16の2)、令和8年度の改正で本則の額が62万円へ引き上げられました(所得税法86条)。

令和8年分と令和9年分は、この62万円に所得に応じた上乗せがつきます(租税特別措置法41条の16の2)。改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分の所得税から適用されます。年の途中の施行なので、毎月の源泉徴収は令和8年11月分まで従来どおりで、改正分は令和8年12月の年末調整で反映されます。

所得税の基礎控除(令和8年分)
納税者本人の合計所得金額本則(年額)上乗せ(年額・令和8・9年分)控除額(年額)
489万円以下62万円42万円104万円
489万円超655万円以下62万円5万円67万円
655万円超2,350万円以下62万円なし62万円
2,350万円超2,400万円以下48万円なし48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円なし32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円なし16万円

令和7年分は所得に応じた5段階でしたが、令和8年分は3段階に整理され、どの帯でも額が増えています。合計所得489万円以下の帯では9万円の増加です。

給与所得控除も変わった — 最低額は74万円

役員報酬は税法上は給与なので、給与所得控除の改正も手取りに効きます。最低保障額が本則69万円に引き上げられ、令和8年分と令和9年分は収入220万円以下なら74万円です(所得税法28条・租税特別措置法29条の4)。

役員報酬への影響 — 手取りの試算

基礎控除が増えた分だけ課税所得が減り、所得税が軽くなります。令和8年分の控除額で、報酬月額ごとの手取りを弊所で試算しました。まずは表を見てみましょう。

※この表の試算年度: 所得税は令和8年分、保険料は令和8年度の計算前提(個人の住民税のうち給与・事業所得分は翌年度の見込み額)。

役員報酬の手取り(令和8年分・弊所試算・金額はすべて1年あたり)
報酬の月額所得税(年額)住民税(年額)手取り(年額)
20万円11,100円85,400円1,962,940円
30万円45,300円152,400円2,891,460円
50万円152,400円310,300円4,685,900円

意外に小さいと感じられたかもしれません。社会保険料は報酬の額で決まり、この改正では動かないためです。すでに公開している手取り早見表(月額10万〜100万円)も、この新しい控除額で計算し直しています。

注意 — 住民税の基礎控除は変わらない、上乗せは令和9年分まで

今回の引き上げの中心は所得税の話です。住民税の基礎控除は43万円のまま変わっていません(地方税法314条の2第2項)。一方、給与所得控除の引き上げは住民税の所得の計算にも及びます(地方税法313条2項)。反映されるのは、令和8年分の所得にかかる令和9年度分の住民税からです。

役員報酬の設計は見直すべきか

基礎控除は報酬の額によらず本人の所得に応じて適用されるため、この改正で「最適な報酬月額」の大枠が動くことはあまりありません。

ただし、次に当てはまる方は数字の確認をおすすめします。

  1. 配偶者に報酬を分けている、または分けようとしている方 — 配偶者控除・扶養控除の判定に使う所得の基準が62万円に変わり、分け方の損得計算が改正前とは異なります
  2. 事前確定届出給与で月給と賞与を配分している方 — 税額の前提が変わるため、配分の試算を最新の控除額でやり直す価値があります
  3. 報酬を数年前に決めたまま見直していない方 — 改正をきっかけに、手取りと負担の全体を確かめる良い機会です

まとめ — 最新の前提で試算し直す

あなたの報酬額は、いつの税制を前提に決めたものでしょうか。基礎控除は令和7年分・令和8年分と続けて変わり、令和10年分にはまた動きます。数年前の試算のまま報酬を据え置いている方は、いまの控除額・いまの料率で計算し直すと結果が変わっているかもしれません。

弊所のシミュレーションは令和8年分の基礎控除と給与所得控除・令和8年度の社会保険料率で計算しています。あなたの数字でその場で確かめてください。

※本記事の税額は、40歳未満・社長おひとり・基礎控除と社会保険料控除のみ反映・東京都の令和8年度料率での概算です。住民税は均等割・森林環境税・調整控除まで含めています。

※この比較に含めた負担: 金額は、法人税など法人側の税金+社会保険料(会社負担と本人負担の両方)+社長個人の所得税・住民税を合計した「会社+社長」の年間負担で試算しています。

この記事の内容は、あなたの数字でその場で試算できます。

役員報酬の変更シミュレーションで実際にあなたの数字で試す
AI 相談ツール 外部の AI サービスに接続します

この記事の内容、私の場合は? — 普段お使いの AI に相談

押すと、この記事の要点が質問文になって、選んだ AI に渡ります。

Gemini など、ほかの AI に貼り付けて使えます

AI によってはそのまま回答が始まります。回答は各 AI サービスによるもので、当事務所の見解ではありません。

※免責事項: 本コラムは一般的な情報のご提供を目的とするもので、個別の事案に対する税務上の助言ではありません。内容は執筆時点の法令等にもとづいており、その後の改正などにより現在の取り扱いと異なることがあります。正確な記載に努めていますが内容を保証するものではなく、本コラムの情報にもとづいて行われたご判断について、当事務所は責任を負いかねます。実際の手続きやご判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。

つづけて読む

お知らせ・コラムの一覧へ戻る

法人化したら、役員報酬を変えたら、
手取りはいくら変わるのか。

無料相談の中で、売上と利益を伺いながら概算の試算をその場でお出しできます。数字を見てから、ゆっくりご検討ください。

無料相談で試算してみる

普段お使いの AI に相談

1. 相談したいことを選ぶ

2. 相談する AI を選ぶ

用意した質問文がそのまま渡ります。回答は各 AI サービスによるもので、当事務所の見解ではありません。