役員報酬は、額面から社会保険料と税金が引かれて手取りになります。この記事では月額10万〜70万円の手取りを早見表にまとめ、会社負担まで含めた「本当のコスト」も示します。

この記事の要点

  • 手取りは額面の約74〜86%。額面が月30万円なら手取りは月あたり約24.0万円
  • 会社負担まで含めると、額面が月30万円で社会保険料は1年に約103.5万円
  • ひとり社長は「本人の手取り」と「会社+本人の合計負担」の両方で見るのが正しい

手取り早見表 — 月額10万〜70万円

手取りの早見表(弊所試算・金額はすべて1か月あたり)
報酬の月額(額面)社会保険料の本人負担(月額)所得税+住民税(月額)手取り(月額)
10万円約1.4万円0円約8.6万円
15万円約2.1万円約0.4万円約12.5万円
20万円約2.8万円約0.9万円約16.3万円
30万円約4.3万円約1.7万円約24.0万円
40万円約5.7万円約2.8万円約31.5万円
50万円約7.1万円約4.1万円約38.8万円
60万円約8.5万円約6.0万円約45.5万円
70万円約9.5万円約8.4万円約52.1万円

同じ内容を1年あたりに直すと、次のようになります。

手取りの早見表(弊所試算・金額はすべて1年あたり)
報酬の月額(額面)社会保険料の本人負担(年額)所得税+住民税(年額)手取り(年額)
10万円(年収120万円)17.0万円0円約103.0万円
15万円(年収180万円)25.5万円4.6万円約149.8万円
20万円(年収240万円)34.1万円10.2万円約195.7万円
30万円(年収360万円)51.1万円20.3万円約288.6万円
40万円(年収480万円)68.1万円33.7万円約378.2万円
50万円(年収600万円)85.1万円49.7万円約465.2万円
60万円(年収720万円)102.2万円71.8万円約546.1万円
70万円(年収840万円)113.7万円101.1万円約625.2万円

額面が月10万円では所得税・住民税はゼロですが、社会保険料は本人負担だけで年17.0万円かかります。低い報酬帯では「税金より社保」を実感できる表です。

※表の社会保険料と所得税・住民税は、1年分を12か月で割った月あたりの平均です。実際に毎月引かれる額は、住民税の納め方などにより多少前後します。

会社負担も足した「本当のコスト」

社会保険料は、本人負担とほぼ同額を会社も負担します。ひとり社長なら会社のお金も自分のお金なので、合計で見るのが実態です。

会社負担まで含めた社会保険料の合計(弊所試算・金額はすべて1年あたり)
報酬の月額(額面)会社負担(年額)会社+本人の合計(年額)
10万円17.5万円34.5万円
30万円52.4万円103.5万円
50万円87.3万円172.4万円
70万円116.5万円230.2万円

額面が月70万円では、社会保険料の合計が1年で約230.2万円。同じ1年の所得税+住民税(約101.1万円)の2倍を超えます。

役員報酬シミュレーションの画面。月額を変えたときの会社+社長の年間負担を並べて比較できる
役員報酬シミュレーションの画面。月額を変えたときの会社+社長の年間負担を並べて比較できる

表の読み方 — 報酬が上がるほど手取り率は下がる

報酬が上がるほど、社会保険料と累進課税の所得税で手取り率は下がります(額面が月10万円で85.8%、月70万円で74.4%)。

「生活に必要な手取りがいくらか」から逆に表を読むと、必要な報酬月額の目安が分かります。

まとめ — 額面ではなく手取りと合計負担で設計する

役員報酬は「額面いくら」ではなく「手取りいくら・合計負担いくら」で決めるものです。

弊所では、あなたの会社の利益水準まで含めて、報酬月額ごとの合計負担を並べた試算をお出ししています。

※本記事の金額は、社長おひとり・40歳未満(介護保険なし)・基礎控除のみ・東京都の令和8年度料率での概算です。40〜64歳は介護保険1.62%が加わります。