会社を設立した直後は、税務署・自治体・年金事務所への届出が集中します。この記事では、期限のある手続きを一覧にし、初年度に特有の注意点をまとめます。

この記事の要点

  • 税務署への届出は「設立2か月以内」の法人設立届出書が起点。青色申告の申請は実質「設立3か月以内」
  • 社会保険は社長1人の会社でも加入義務。新規適用届の期限は5日以内といちばん短い
  • 役員報酬は設立から3か月以内に決める。ここを過ぎると原則、翌期まで変えられない

まず全体像 — 届出先は3か所

税務署(国税)、都道府県・市区町村(地方税)、年金事務所(社会保険)の3か所に、それぞれ別の届出を出します。

期限は届出ごとにばらばらで、いちばん短いものは5日以内です。

設立登記が終わって一息つく前に、期限の短い順に片付けるのが安全です。

税務署への届出 — 期限つきの一覧

税務署に出す主な届出と期限(2026年8月時点)
届出期限補足
法人設立届出書設立から2か月以内定款の写しを添付
青色申告の承認申請書設立から3か月を経過する日と第1期末日のいずれか早い日の前日遅れると初年度は青色申告が使えない
給与支払事務所等の開設届出書開設から1か月以内役員報酬を払うなら必要
源泉所得税の納期の特例の承認申請書期限なし(早めに)給与の支払人数が常時10人未満なら納付が年2回にまとまる

このうち特に忘れやすいのが青色申告の承認申請です。

青色申告でないと受けられない税務上の取り扱いが多いため、期限内の提出を最優先にしてください。

都道府県・市区町村にも設立の届出

法人住民税・法人事業税の関係で、都道府県と市区町村にも法人設立届を出します。

期限や様式は自治体ごとに異なるため、本店所在地の自治体の案内で確認してください。

社会保険 — 社長1人でも加入義務・期限は5日

法人は、社長1人だけの会社でも健康保険・厚生年金への加入が義務です。

年金事務所への「新規適用届」の期限は事実発生から5日以内と、設立関係の届出でいちばん短く設定されています。

国民健康保険・国民年金からの切り替えで保険料が大きく変わるため、法人化の損得計算にあらかじめ含めておきます。

役員報酬は「設立3か月以内」に決める

役員報酬は原則、毎月同額で払わないと経費(損金)になりません。

金額を決められるのは事業年度開始から3か月以内なので、初年度は設立から3か月以内に決め切るのが基本です。

いくらにするかで税と社会保険料の合計が大きく動くため、ここが初年度いちばんの設計ポイントです。

役員報酬シミュレーションの画面。月額を変えたときの会社+社長の年間負担を並べて比較
役員報酬シミュレーションの画面。月額を変えたときの会社+社長の年間負担を並べて比較

まとめ — 期限の短い順に、設計はまとめて

手続きの期限は「5日(社会保険)→1〜2か月(税務署)→3か月(青色申告・役員報酬)」の順にやってきます。

弊所では、設立直後の届出一式の整理と、役員報酬をいくらにするかの試算をセットでサポートしています。

※本記事の期限は2026年8月時点の法令等に基づく概要です。個別の要件・添付書類は提出先の案内でご確認ください。※従業員を雇う場合は労働保険・雇用保険の手続きも別途必要です。