「税金より社会保険料のほうが重い」— そんな実感をお持ちの経営者・個人事業主の方に向けて、制度の枠内で社会保険料の負担が変わる代表的な4つの選択肢と、それぞれの注意点を整理します。
「税金より社会保険料のほうが重い」— そんな実感をお持ちの経営者・個人事業主の方に向けて、制度の枠内で社会保険料の負担が変わる代表的な4つの選択肢と、それぞれの注意点を整理します。
この記事の要点
法人の社長の社会保険料は、役員報酬から決まる標準報酬月額に料率を掛けて計算します。所得税のような累進ではなく、報酬に比例して(上限まで)増え続けます。
だからこそ、報酬の設計しだいで負担が変わる余地があります。ただし、どの選択肢にも必ず裏面があります。順に見ていきましょう。
最も基本の選択肢です。報酬を下げれば社会保険料は下がりますが、生活資金・融資審査・将来の年金も一緒に下がります。
例えば役員報酬を最低水準の月4.5万円にすると、社会保険料は会社+本人で年約26.7万円(40歳未満・弊所試算)まで下がります。ただしこの設計が向くのは、法人の外に生活を支える収入がある場合など、限られた場面です。
賞与の社会保険料には上限があるため、月給を抑えて年1回の賞与に寄せると社会保険料が下がります。役員賞与を損金にするには、事前確定届出給与の届出が必要です。
ただし、届け出た支給日・金額どおりに支給しないと損金にならないという厳格な要件があり、厚生年金の保険料が減る分だけ将来の年金も減ります。制度の仕組みは次の記事にまとめています。
個人事業主の国民健康保険は所得に連動して増えますが、法人を作って低い役員報酬で社会保険に入ると、保険料が定額に近くなります。いわゆるマイクロ法人・二刀流と呼ばれる形です。
この形には、法人の維持費と事務負担が毎年かかること、個人事業と法人の事業に実体のある区分が必要なことという入口の条件があります。向き不向きの整理は次の記事をご覧ください。
国民健康保険は家族の人数分の保険料がかかりますが、社会保険の被扶養者には保険料がかかりません。扶養の範囲で働く配偶者やお子さんがいる場合、この差は世帯の負担額に直接効きます。
被扶養者になるには収入などの認定基準があります。家族構成によって削減額そのものが変わるため、世帯単位で試算することが大切です。
4つの選択肢に共通するのは、保険料が下がる分だけ、保障や将来の年金も動くということです。社会保険料は掛け捨てではなく、傷病手当金・出産手当金・厚生年金の上乗せという給付の裏付けがあります。
目先の負担額だけでなく、下げた後のご自身と家族の保障がどうなるかまで並べて比べてみてください。弊所では、世帯全体の実額試算を含めてお手伝いしています。実行を検討される際は、必ず事前にご相談ください。
※本記事の金額は、協会けんぽ東京・令和8年度料率での概算です。年齢(介護保険の該当)や地域によって金額は変わります。
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