マイクロ法人と個人事業の二刀流を始めた最初の春、「確定申告はどうなるのか」と戸惑う方は少なくありません。個人の申告に役員報酬をどう載せるのか、年末調整との関係はどうなるのか。二刀流1年目の方に向けて、申告の全体像を整理しました。
マイクロ法人と個人事業の二刀流を始めた最初の春、「確定申告はどうなるのか」と戸惑う方は少なくありません。個人の申告に役員報酬をどう載せるのか、年末調整との関係はどうなるのか。二刀流1年目の方に向けて、申告の全体像を整理しました。
この記事の要点
二刀流では、申告が2つに分かれます。法人側は法人税などの申告を決算期ごとに行い、個人側は毎年の確定申告で自分の所得をまとめます。この記事で扱うのは個人側です。
個人の確定申告に載せるのは、次の2つの所得です。
2つを合算した所得から、社会保険料控除や基礎控除などを引いて、所得税を計算します。役員報酬の源泉徴収票は法人が自分に発行し、その数字を申告書に写します。
給与をもらっている人は、給与以外の所得が20万円以下なら確定申告をしなくてよい — この話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
二刀流の方は、この特例を当てにしないでください。そもそも個人事業の所得が20万円を超えれば申告が必要ですし、事業が赤字でも話は終わりません。同族会社の役員がその会社から給与のほかに貸付金の利子や事務所の家賃などを受け取っている場合は、その所得が少額でも確定申告が必要とされています(所得税法施行令262条の2)。自宅の一部を法人に貸して家賃を取るような形は、マイクロ法人でよくある設計です。
迷ったら「二刀流なら毎年確定申告をする」と覚えておくのが安全です。
役員報酬を月4.5万円や月62,999円といった低い水準にしている場合、給与収入は年54万〜75.6万円ほどです。
給与所得控除が最低でも65万円あるため、この水準なら給与所得はゼロか、ごく小さい金額になります。
たとえば月62,999円なら年収755,988円で、給与所得は105,988円です。二刀流の所得税は、実質的にほぼ個人事業の利益で決まると考えて差し支えありません。
一人社長は、自分の役員報酬について年末調整をすることができます。ただし二刀流の場合、年末調整をしてもしなくても、最終的な税額は確定申告で精算されます。
実務としては、年末調整は最小限にして、生命保険料控除などの所得控除は確定申告でまとめて反映するのが分かりやすい形です。年末調整そのもののやり方は次の記事にまとめています。
二刀流の確定申告は、仕組みさえ分かれば毎年同じ型の繰り返しです。1年目に売上の区分と控除の載せ方を正しく組めば、2年目からは迷いません。どの事業を法人に移すかという設計段階の話は、次の記事もあわせて読んでみてください。ご自身の形で申告がどうなるか不安な方は、1年目の申告からお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。
※本記事は二刀流の一般的な形(個人事業+マイクロ法人の役員報酬)を前提にした整理です。不動産所得がある方や、法人から給与以外の支払いを受けている方は、申告項目が増えることがあります。
※法人化の前に: 法人化すると、赤字の年でも法人住民税の均等割(年7万円ほど)が毎年かかります。増える事務も決算・申告や設立時の届出だけではありません。毎月の給与計算と源泉所得税の納付、年末調整、社会保険の算定基礎届など、個人事業には無かった手続きが毎年続きます。保険料や税金の差だけでなく、この固定費と手間まで含めてご判断ください。
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