「法人化したけれど、思ったより負担が重い。個人に戻れないだろうか」— そんなご相談は珍しくありません。法人をやめて個人事業に戻る「個人成り」は可能ですが、設立よりも手間と時間がかかります。手順と判断のポイントを整理しました。
「法人化したけれど、思ったより負担が重い。個人に戻れないだろうか」— そんなご相談は珍しくありません。法人をやめて個人事業に戻る「個人成り」は可能ですが、設立よりも手間と時間がかかります。手順と判断のポイントを整理しました。
この記事の要点
法人には、利益が出なくても続く負担があります。赤字の年でもかかる法人住民税の均等割が年7万円ほど。社会保険料は、役員報酬を最低水準にしても会社+本人で年約27.8万円です(40〜64歳・弊所試算)。
事務も、決算・申告だけでは終わりません。毎月の給与計算、源泉所得税の納付、年末調整、社会保険の算定基礎届と、個人事業には無かった手続きが毎年続きます。売上が想定より伸びなかったとき、この固定費と手間が重く感じられて「個人に戻りたい」となるのが典型です。
会社を閉じて個人に戻る流れは、おおまかに次のとおりです。
公告期間だけで2か月あるため、全体では数か月がかりの手続きです。登記の登録免許税や官報の掲載料など、閉じるためだけの実費もかかります。
届出の一覧から漏れやすいのが、次の3点です。
完全に閉じる前に、次の2つも並べてみてください。
どちらも「戻る」より軽い選択肢ですが、根本の負担が消えるわけではありません。数年単位でみてどちらが安いか、実額で比べることになります。
個人成りの判断は、法人化の判断の裏返しです。続けた場合に毎年出ていく固定負担と、一度きりの閉鎖費用・手間を並べ、事業の見通しを重ねて決めます。
注意したいのは、行き来のコストです。個人に戻ったあとで利益が伸び、再び法人化するとなれば、設立費用も手続きもまたかかります。数年内に利益が戻る見込みがあるなら、閉じずに耐える選択が正解のこともあります。
個人成りは後ろ向きな選択ではなく、負担と見通しを数字で比べた結果の1つです。ただし手続きは設立より重く、時間もかかります。今の法人を続けた場合・閉じた場合の年間負担がいくら違うのか、まずはそこから一緒に整理しますので、お気軽にご相談ください。
※本記事の金額は、東京都・令和8年度料率での概算です。解散・清算の手続きや税務は会社の状況によって変わるため、実行前に個別にご確認ください。
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