一人会社なら決算も自分でできるのでは、と考える方は多いはずです。できる場合とつまずく場合の境目を、作業の中身に沿って整理します。
一人会社なら決算も自分でできるのでは、と考える方は多いはずです。できる場合とつまずく場合の境目を、作業の中身に沿って整理します。
この記事の要点
法人の決算・申告で作るものは、個人の確定申告よりかなり多くなります。
決算書(貸借対照表・損益計算書など)に加えて、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書、そして別表と呼ばれる法人税独自の計算書類の一式。さらに国の法人税とは別に、都道府県と市区町村への地方税の申告もセットです。
「個人の申告の延長」と思って始めると、書類の種類の多さでまず面食らうことになります。
日々の記帳の中でも、給与の仕訳は別物です。役員給与は、額面をそのまま費用にして終わりではありません。天引きした源泉所得税は「預り金」として区分し、納めたときに消し込むところまでがセットです。
社会保険料の本人負担分も同じで、「預り金」で処理する方法のほか、会社負担分とまとめて「法定福利費」で処理するやり方もあります。どちらの方法でも、天引き分を区分して納付のときに消し込む点は変わりません。
実際には、この天引き分の処理まで正しくできている帳簿は多くありません。自走できているかの目安には、給与の仕訳が正確かどうかを使ってください。ここが合っていれば日々の記帳は自走できていますし、勉強しながら2)へ進む素地もあります。
逆に、天引き分の残高が合わないまま決算へ進むと、その修正が決算調整にそのまま上乗せされます。
取引の数が少なく、内容も単純(売上先が数件・経費の種類が限られる)。簿記の素養があるか、調べながら進める時間を確保できる。この条件がそろうなら、自力での決算・申告は現実的な選択肢です。
逆に、本業が忙しくて時間が取れない方が独学で挑むと、時間を失ったうえに誤りも残る、という結果になりがちです。ご自身の時間の使い方として割に合うでしょうか。
自分でやるか税理士に頼むかは、二択ではありません。
日々の記帳は自分で回し、決算と申告だけを単発(スポット)で頼む形なら、費用を抑えながらいちばんの壁だけを専門家に任せられます。1期目だけ頼んで型を作り、2期目から自分で、という順番も選べます。
法人決算は、時間をかければ自分でできる方も確かにいます。ただ、問いを「できるか」から「自分の時間を使うのが割に合うか」に変えると、答えが変わる方も多いはずです。
迷ったら、決算だけのスポット依頼から試してみてください。弊所でも、記帳は自走・決算は依頼という形のご相談を受けています。
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